课题番号17指―5.PDFVIP

課題番号：１７指―５ 研究課題名：気分障害の治療システムの開発と検証に関する研究 主任研究者：神庭重信 九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野 分担研究者：井上 猛（北海道大学医学研究科神経機能学講座）、大嶋明彦（群馬大学医学 研究科脳神経精神行動学教室）、大渓俊幸（多摩全生園精神神経科）、大森哲朗（徳島大学 ヘルスバイオサイエンス研究部）、岡本泰昌（広島大学医歯薬総合研究科精神神経医科学）、 黒木俊秀（九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野）、須原哲也（放射線医学総合研究 所脳機能分子イメージング研究センター）、染矢俊幸（新潟大学医歯学系精神医学）、中村 純（産業医科大学精神医学）、野村総一郎（防衛医科大学校精神科学講座）、日笠 哲（呉 医療センター・中国がんセンター精神科）、古川壽亮（名古屋市立大学医学研究科精神・認 知・行動医学分野）、古野毅彦（東京医療センター精神科）、本橋伸高（山梨大学医学工学 総合研究部）、山下達久（京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学）、渡辺義文 （山口大学医学部高次脳機能病態学分野）、宮岡 等（北里大学医学部精神科）、山田和男 （東京女子医大医学部東医療センター精神科） １ 平成１８年度の研究成果 task forceを設置した。③加えて、その他 うつ病の薬物療法アルゴリズムの検証に向 の分担研究者ら（上記）により、うつ病の けて、共通のアルゴリズムを決定し、また 薬物反応性を予測するための生物学的指標 その有用性を検証する計画を策定した。ま の探索、および難治性うつ病へ有効な薬物 た、E.Kraepelinが教科書第 5版で述べた退 の探索の研究を継続した。 行期メランコリーに相当する症例が臨床的 ２ 平成１９年度の計画 にしばしばみられ、しかも通常の抗うつ薬 アルゴリズムの検証を続け、比較研究の結 療法に抵抗性で、自殺の危険性が高いこと 果を解析する。 を報告した。分担研究者の古野は、 うつ病の薬物反応性を予測するための生物 E.Kraepelinが教科書第 5版で述べた退行 学的指標の探索、および難治性うつ病へ有 期メランコリーに相当する症例が臨床的に 効な薬物の探索の研究を継続し、有望なも しばしばみられ、しかも通常の抗うつ薬療 のに関しては、班全体の研究テーマとして 法に抵抗性で、自殺の危険性が高いことを 設定し、大規模な臨床試験へと発展させる 報告した。古野らの検討でも、１１例中６ ことも視野に入れる。 例が自殺に及んでいる。治療にECTを用いた ３ 行政への貢献度 のは７例で、いずれも著明に改善した。全 有用性の検証を加えた“うつ病治療ガイド 例に強い不安・焦燥が認められた。罪責妄 ライン”の作成に貢献する。うつ病のより 想が８例、心気妄想が２例、貧困妄想が３ よい診断と治療に貢献する。 例であった。このグループの診断基準、治 ４ 研究発表 療ガイドラインの作成を目的として、分担 和文：１２編、英文：２８編 研究者の古野、大嶋、日笠らを中心とした