认知症调査报告-labo.city.hiroshima.med.or.jp.PDFVIP

平成21年₃月15日発行 広島市医師会だより　（第515号　付録） 臨床甲状腺研究会 臨床甲状腺研究会 【特集】 認知症対策プロジェクト 認知症調査報告 臨床甲状腺研究会 認知症対策プロジェクト代表世話人 加藤 雅史 ◆取組み概要 【はじめに】 2007 年 10 月より開始いたしました 「認知症対策プロジェクト」は、2008 年 8 月末をも ちまして終了させていただきました。開始当初より多くの先生方のご協力の下、多数のご出 検をいただき心より感謝申し上げます。 ここに、本プロジェクトの集計結果をご報告させていただきます。 【認知症対策プロジェクトとは】 広島市医師会臨床検査センター「臨床甲状腺研究会」の調査（2005 年）において、甲状 腺機能低下症の患者の多くが、“もの忘れ （記憶力低下）”を訴えることが明らかとなりまし た。二次性認知症のひとつとして甲状腺機能低下症があげられますが、現在国内では、甲状 腺機能低下症患者における二次性認知症の割合を調査した報告が全くないのが現状です。 そのような中で、各医療機関のご協力を得て認知症者の把握および二次性認知症の割合を 調査することを目的とした「認知症対策プロジェクト」を立ち上げました。 【認知症対策プロジェクト概要】 ： 期 間 2007 年 10 月～2008 年 8 月末 ： 目 的 ①広島市における二次性認知症 （主として甲状腺機能低下症）の割合を調査する。 ②地域における認知症患者の早期発見対策の基礎と成り得るしくみをつくる。 ： 対 象 者 もの忘れ（記憶力低下）を症状のひとつとして訴える65 歳以上の患者 ： 調査方法 もの忘れ度チェックテスト 老人性うつ（GDS）簡易チェックテスト 血液検査 TSH ･･･甲状腺機能低下症による二次性認知症の鑑別 ビタミンB12 ･･･ビタミンB12 欠乏症による二次性認知症の鑑別 ─　2　─ 平成21年₃月15日発行 広島市医師会だより　（第515号　付録） ◆調査結果 【出検数】 協力医療機関数：39 施設 受託件数：281 名（男性98 名 女性183 名） 年齢：65～91 歳（平均年齢76.6 歳） 【もの忘れ度チェックテスト】 もの忘れ度チェックテストは、日常生活の中の 「もの忘れ」「行動障害」などが進行性か、 非進行性かを確認し、認知症の可能性を判定するものです。チェックテストにより、認知機 能障害の程度を8 段階（A～H）に分けて評価します。（Medical Care Corporation 参考文献 1-4） 表 1 チェックテスト結果 男性 女性 合計 略称区分 成 平 21 年 A 正常な老化 24 人 32 人 56 人 （19.9%）