调査报告书事业目的.PDFVIP

平成 23 年度「インフラ・システム輸出促進調査等委託事業 （グローバル市場におけるスマートコミュニティ等の事業可能性調査）」 ～ 中国・杭州銭江経済開発区における 低炭素インフラサービス供給に関する事業可能性の調査 ～ 調 査 報 告 書 事業目的 本調査事業の対象国である中国では、全国各地において都市化が進み、年間 1,000 万人 以上と言われる人口流入を受け入れるという実需に支えられた都市開発が進んでいる。本 業務では、その都市開発の中でも中国長江デルタ地域の有力都市である浙江省杭州市にお ける杭州銭江経済開発区を対象とし、当該地域におけるエネルギー供給を中心としたイ ンフラサービス会社の立ち上げ・運営までを実施することを目指す。本業務の中では、 日本と中国とが互いに強みを有するエネルギー技術・機器を組み合わせてシステムを構 成すると同時に、日本のノウハウを組み込んだ細やかなサービスモデルを具現化し、地 域全体の価値を向上させるための事業としての差別性を検討する。本調査事業では、中 国の省・市レベルの一般的な都市・開発区等において推進可能な普及版スマートコミュ ニティモデルを構築すること目的とした市場動向や事業環境の整理、事業計画の策定を 目的とする。 業務内容実施概要 第 1 章 市場動向、事業環境の把握 １．社会・政策・市場動向 （１）中国における社会・政策・市場動向 ・ 2011 年 3 月 14 日、中国政府は全国人民代表大会（全人代、日本の国会に相当）に「国 民経済と社会発展の第 12 次 5 ヵ年計画綱要（草案）」（計画期間2011～2015 年。以下、 「12 次 5 ヵ年計画」という）を決定した。 ・ 省エネルギー型、環境にやさしい社会づくりを経済発展方式転換の重点に、省エネと環 境保護を国策として、エネルギーを節約し、温室効果ガスの排出を削減し、循環経済を 発展させ、低炭素技術を普及しつつ、積極的に気候変動に対応し、経済社会の発展と人 間、環境との協調を図りながら、持続発展できる道を歩んでいこうといった指導方針が 打ち出された。 ・ 12 次 5 ヵ年計画では、「国内総生産（GDP）年平均成長率 7％」など具体的な発展目標 を明らかにするとともに、省エネ環境対策の分野でも第 11 次 5 カ年計画 （2006～2010 年）より多くの拘束性目標を追加し、環境問題への取組に対する中国政府の強い決意を 1 見せた。 ・ 12 次 5 ヵ年計画では、国が重点的に支援する 7 つの戦略的新興産業（エネルギー環境 保護産業、次世代の情報技術産業、バイオ産業、ハイエンド設備の製造産業、エネルギ ー産業、新素材産業、新エネルギー自動車産業）を示している。 ・ 上述戦略的新興産業に対し、政府は専用支援資金を設け、新興産業への投資規模を拡大 するほか、新興産業発展に有利な業界基準、重要製品の技術基準を構築し、新製品を応 用する基礎インフラ施設の整備を支援する方針を示している。 （２）中国の環境都市の動向 ・ 中国では、沿岸部の大都市を中心に、都市化が進んでおり、さらなる人口流入を招く構 造となっており、現在、都市人口は全人口の約半分だが 2050 年までには約 7 割に至る と考えられており、都市開発は喫緊の課題とされている。 ・ エネルギー政策や産業政策と都市開発の両立を達成するために不可欠な取り組みとし て全土で環境都市開発が進んでいる。具体的には、「低炭素化都市」、「エコシティのモ デル地域」、「国家生態工業モデル園区」、「智能電網試験区」などを提唱し、「中国持続 可能発展戦略報告」で、2020年目処に GDP当たりの CO2排出量を 2005年比で 50％削減 することを目指している。 ・ 中国全土において環境都市の建設は、申請中のものを含め、200 箇所程度計画されてい るとされ、市場規模は 2010年に 2000億元を超え、2015年に7500億元、2020年時点で 5兆元（60兆円）に達する見込みとされている。 ・ 12 次 5 ヵ年計画には、中国の地域開発が「地域発展全体戦略、主体機能区戦略」の方 針を実施すると示さ