自閉症論の原点―定型発達者との分断線を越える.docVIP

『自閉症論の原点―定型発達者との分断線を越える』　　　　　 「孤立を恐れるな」の著者　高岡健 レポーター　村田耕作 まえがき 自閉症者と定型発達者（健常者）との分断線を引く ○発達障害　①学級崩壊と呼ばれた教室内の混乱の原因 　　　　　　　②2000年に起こった少年事件の原因 ○自閉症の純真さと特異な才能を賞賛した映画やＴＶドラマ 果たして自閉症は障害か？ →「自閉症こそが人間存在の原点を照射しているのであり、「正常」に発達を遂げる過程は、むしろ原点からの逸脱???」 →2つの視点から分断線を越える 　①自閉症の精神政治学＝　アメリカにおける自閉症の発見、精神薄弱から????????症候群高機能自閉症が生まれ日本に輸入される過程Ｐ３ 　②自閉症の精神現象学＝??????の野生児研究、吉本隆明の心的現象論、ヘーゲルの精神哲学、ドナ?ウイリアム??の著書、レフ?トルストイの民話集 　 序章『アイ?アム?サム』2001年 　◆サムとルーシー、◆ルーシーの成長 　Lucy in the sky with diamond.　 スターバックスでの仕事、不変の秩序、その記憶力、自分の想像を超える問いかけや指示の言葉が投げかけられるとオウム返しをする、「そろそろ行かないと」との店長の言葉に足踏みをしながら、ぐるぐる体を回す。色にこだわる「ルーシーはピンク色」「緑のパンパース」、カナーの例「ドナルドは5つの絵の具の瓶に色に名前を付ける」詩人ランボー「Aは黒、Eは白???」、「適当に」がよくわからない。耳からの情報よりも眼からの情報を処理する方が得意なので. p.14,p.16,p18 ◆サリー?アンの課題に答えうる自閉症児の存在 サリーとアン課題 サリーとアンが、部屋で一緒に遊んでいました。 サリーはボールを、かごの中に入れて部屋を出て行きました。 サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移しました。 サリーが部屋に戻ってきました。 「サリーはボールを取り出そうと、最初にどこを探すでしょう？」と被験者に質問する。 正解は「かごの中」だが、心の理論の発達が遅れている場合は、「箱」と答える。 スマーティ課題 前もって被験者から見えない所で、お菓子の箱の中に鉛筆を入れておく。 お菓子の箱を被験者に見せ、何が入っているか質問する。 お菓子の箱を開けてみると、中には鉛筆が入っている。 お菓子の箱を閉じる。 「この箱をAさん（この場にいない人）に見せたら、何が入っていると言うと思う？」と質問する。 正解は「お菓子」だが、心の理論の発達が遅れている場合は、「鉛筆」と答える。 多くの場合、4、5歳程度になると、この2問に正解できるようになるが、心の理論の発達が遅れていると、他者が自分とは違う見解を持っていることを想像するのが難しい為に、自分が知っている事実をそのまま答えてしまう。 心の理論の障害が想定される自閉症の子供は、高年齢になっても誤答する割合が高い。ただし、知的障害を伴う低機能自閉症の場合、質問の意味自体を理解できていない場合もある ◆本書における自閉症（スペクトラム）＝自閉症?????????症候群と非定型自閉症（または特定不能の広汎性発達障害）の総称 ?知的障害者＝ちえ遅れ＝retard＝精神遅滞●自閉症（スペクトラム）＝＝ウイングの三つ組 ①相互的社会関係における特徴―視線が合わない、友人関係を発展しにくい、興味を分かち合えない。 　②コミュニケーションにおける特徴―言葉によるコミュニケーションの不得手さと、身振り手振りによるコミュニケーションの不得手さの双方 　③想像力の範囲が狭く深いと言う特徴―その結果として、変化への抵抗や、様々な繰り返し行動を好むという特徴 ●????????症候群＝３つ組の特徴を備えながらも言葉の数の面でのおくれがない場合 ●３つ組には含まれていないが、先のサムの特徴に加え感覚過敏がしばしば伴う 　?臭覚が敏感で香水が嫌い。味覚が敏感で偏食が目立つ。聴覚が敏感でピアノの調律の音が嫌い。視覚が敏感で過去の出来事を細部まで映像のように思い出す。 ?アヴェロンの野生児（ヴィクトール）の特徴p.114 「般化（汎化）が苦手」p.134, 第一部　自閉症の精神政治学 第一章　自閉症の「発見」1930～1990年代の米国　p.32 ◆レオ?カナー　1943年自閉症論文 ◆1920年～1930年は精神薄弱脅威論の中での論文 ◆消費文化?防衛産業?軍隊での労働→精神薄弱者有用論 ◆サービス?情報化（第三次産業化）により精神遅滞（第二次産業中心）からの自閉症の分離 ◆1950年代～の米国では再び入所施設が増加していく ◆1960年～ケネディーの一般教書「州立病院への収容から地域医療への転換」p.54 ◆