地域完结型地燃料构筑运営.pdfVIP

地域完結型地燃料システムの構築と運営 実施予定期間：平成18年度～平成20年度 検証研究を行うことを最終的な目的とする。 総 括 責 任 者：五十嵐 泰夫（国立大学法人東京大学大 学院農学生命科学研究科） 2.国内外の研究状況、提案にいたる準備・調査等について バイオマスエネルギーの利用は、バイオマスを直接燃焼 Ⅰ.概要 する方法とバイオマスから燃料を製造する方法とに大別 できる。前者の例としては、ボイラーによる発電・熱源利 でんぷん系のみならず草木質系バイオマスをも糖化し 用、後者の例としては、エタノール、ガス、ディーゼル燃 て、エタノール発酵、蒸留、エタノール自動車の試験走行 料製造が挙げられる。単独技術としては完成したものも多 に至る一連の地燃料生産システムを開発・構築する。また いが、地域バイオマス利活用システムを構成する要素技術 地域行政や住民参加による地域バイオマスの収集や既存 としては問題点も多く残されている。バイオマスエタノー 設備・施設との連動を中軸とする地域システム運営手法を、 ルについては、糖やでんぷん系の原料を利用した発酵技術 いくつかの実証サイトで確立する。 は成熟している。実用化に対しての問題点は安価な原料の 確保とエタノールの分離・精製である。食料生産との競合 1.研究の目的 をさけるため、非可食バイオマスであるセルロース系バイ わが国において持続可能なバイオマス利活用を推進す オマスの利用が望まれる。糖化には、環境負荷の低い微生 るためには、地域物質循環や環境負荷などを十分に考慮し 物法または酵素法の確立が必要で、世界中でこれまでに多 た地域完結型システムの具現化像を提案し、テストサイト くの研究例がみられる。わが国において、E3 ガソリンの における実際の構築・運営を通じて実証していくことが重 生産を大前提とした研究開発が主流となっているが、セル 要である。バイオマスから得られる燃料として、バイオマ ロース糖化酵素や無水エタノール製造の分離膜は海外の スエタノールやバイオガスはよく知られているが、E3 な 技術に依存しているのが現状である。これに対して、地域 どの混合ガソリンを前提としたエタノール生産であった 単位で含水アルコールを地産地消する「地燃料」は、わが り、もともとヨーロッパの事情に即して開発されたメタン 国における地域バイオマス利活用に即した新たな試みで 発酵など、海外の仕組みをそのまま導入するのでは国内に ある。 おける持続可能なバイオマス利活用システム （バイオマス 我々は、バイオマスの資源化技術について調査・整理を タウン）の構築と運営は困難と思われる。一方で、「バイ 行ってきている。本提案を準備するにあたり、既往の成果 オマス・ニッポン総合戦略」の策定によって、具体的に稼 にもとづいて、持続可能な地域完結型のバイオマスエネル 動するバイオマスタウンの事業例を早急に示してゆくこ ギーシステムを構築することに対しての問題点を抽出し、 とが求められていることから、土地利用や人口分布などを その解決に向け、バイオマスエネルギーの地産地消を念頭 含め、わが国の実情に即したプロセス・システムの具体化 に置き、「地燃料」コンセプトを提唱するに至った。また、 に向けた取り組みは急務である。 長野県北信濃地域に位置する