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小児エコーの必威体育精装版動向　　 Pediatric Ultrasound Trend of Diagnostic Ultrasound 小児の腹部エコー 　ー消化管エコーの時代へー 腹部エコーは非侵襲性，簡便性，反復性から小児の消化器疾患の診断に欠かせない存在になっている。また， 画像の鮮明化や描出の工夫によって，エコーが最も苦手としてきた消化管疾患の診断にも必須の検査になり つつある。近い将来， 日常診療で腹部エコーを聴診器のように活用 し，消化管疾患の診断に威力を発揮する 時代が訪れるのではないかと予想される。本稿では，臨床の第一線で行 っている消化管エコーの実際について 述べる。 外に簡単に情報を得る手段（診断のため に加えて腹部エコーを駆使すれば，肥厚 腹部エコーはどのような消化管疾患 のツール）がなかったからである。腹部 性幽門狭窄症，急性胃粘膜病変，腸重 の診断に有用か? エコーの導入は消化器疾患の診断（迅 積症，急性虫垂炎，腸間膜リンパ節炎， 日常診療で遭遇する小児の消化器疾 速性と正確性）を一変させたが，消化管 急性腸炎の確定診断が可能である。また， 患の中で，肝・胆・膵疾患の頻度は少 疾患も例外ではない。腹部エコーを腹部 血管性紫斑病や便秘でも有用な情報を なく，多くが消化管疾患である。消化 の聴診器のように活用している経験から 得ることができる。このように，消化管 管疾患患児の多くが腹痛，嘔吐，下痢， 得た急性腹痛の原因，および急性腹症 疾患についても，正確な診断をするため 発熱などのありふれた症状を主訴に受診 の診断に役立つ超音波所見を表1，2 に には腹部エコーは欠かせない存在になり するが，それらを的確に診断することは 示す。点線より上が日常診療でよく経 つつある。特に，小児救急の場面にお 容易ではなく，頭を悩ますことが多い。 験する疾患であるが，いずれも消化管疾 いては，確定診断や診断の方向付けに なぜなら，腹部X線と血液・尿検査以 患である。臨床症状・所見と検査所見 果たす腹部エコーの役割は計り知れない。 表1　超音波検査から見た急性腹痛の原因 表2　救急に役立つ小児急性腹症の超音波診断