论岛崎藤村《家》中的女性.pdfVIP

摘 要 其次，本文从明治时期的时代背景、文坛的影响以及作家自身因素三方面探 究了《家》中女性形象的成因。明治维新后，随着文明开化风潮的盛行，男女平 等等西方的近代思想传入日本。另一方面，日本近代化的不彻底性，导致了男尊 女卑等封建思想仍有残余。文坛方面，直接受岩本善治“男女异质同等”女权论 以及北村透谷“恋爱至上主义”恋爱观的影响，间接受与谢野晶子的女性主义思 想的影响。就作家自身因素而言，主要受基督教原罪意识以及身边女性的影响。 关键词：岛崎藤村 女性形象 男尊女卑 基督教 男女平等 II 要 旨 要 旨 日本自然主義の代表作家島崎藤村はその代表作『家』に十数人の女性を描い ている。従来の研究は主にお種、お倉、お雪、豊世といった女性を中心に考察 したものである。それは4 人とも、多尐相違が見られるが、いずれも「家」に 束縛され、悲劇的な運命を脱却することができなかったとされている。これに ついて、まだ考察する余地があると筆者が考えている。また、こういう女性像 の形成原因について、作者の身辺の女性達の影響だと論じられているが、その 分析は不十分だと思う。実際は、『家』の女性といえば、上記した人物以外に、 お俊、曾根、お福、お愛、お仙、お春などまだ数人もあり、彼女たちも無視で きない存在ではないかと考えている。 本稿は『家』の女性たちを4 つのタイプに分類して、テキストの分析という 方法を用いて、まず、具体的に女性達の人物像を考察した。 タイプⅠ:お種、お倉 2 人とも明治時代の旧家のおかみさんであり、封建的な家父長制度における 儒教倫理の道徳を忠実に守る者である。お種は気が強い人である。それに対し て、お倉は弱い人である。両者とも婦徳を固く守り、勤勉で一家のきりもりを して、旧家と夫に忠実したと考えられる。 タイプⅡ:お雪、豊世、お俊、曾根 4 人ともある程度女性としての自覚、自主に目覚めて、自我を追求しようと したが、依然として、封建的な倫理と規則に縛られて、自分の思うままに生き ることは出来なかったのである。お雪、豊世は明治時代の旧家における若いお かみさんの代表だと言える。お雪はある程度近代教育を受けたが、自分の幸せ を追求する勇気はなかった。豊世はしっかりとした考え方を持っており、大胆 に経済的な独立を追求していたが、婚姻において、「妻が夫に従う」という婦 徳を守っていたのである。お俊はしっかりとした考え方、また趣味と追求を持 っていたが、婚姻は自分で決められなかった。曾根は独身で、見かけが弱い反 面、芯が強い。4 人では、もっとも知性的な女性である。 III 要 旨 タイプⅢ:お福、お延など 6 人は皆若い女子学生で、可愛いらしく、明るい。また勉学に励んでおり、 家で家事の手伝いをよくしている。前述したタイプⅠとⅡの女性と比べると、 彼女達はより系統的な新式の教育を受けていて、自由で幸せな生活を送ってい る。彼女たちはある程度明治時代の一番若い女世代の面影を反映しているので はないか。 タイプⅣ:お仙、お春 2 人は教育を受けなかったが、何の心配もなく生活を送っている。お仙は知 恵に遅れているせいか、世の中の憂いなどを尐しも知らない。そのかわり、明 るくて純粋な人である。お春はお仙の下婢であるが、プライドが高い。2 人は 主従関係であるが、仲良くしている。この2 人には作者が女性に対する一種の 美しい願いを託していると言えよう。 次に、作者が女性達を造型した原因について、明治の時代背景、文壇の影響、 作者自身の経歴という3 つの面から検討した。時代背景から見れば、明治維新 以後、文明開化が進んでいるうちに、男女平等など西欧の近代思想が日本社会 に浸んでいた。一方、日本近代化の不徹底さによって、男尊女卑のような封建 思想がまだ残っていた。明治文壇から見れば、まず、巌本善治の男女異質同等 の女権論と北村透谷の恋愛至上主義の恋愛観から直接影響を受けた。また、与 謝野晶子のフェミニズム思想から間接に影響を受けたと思