エンパワーメント 発援助の実践からの報告.pptVIP

村の女性たちからはいつも米が足りないという不満が出ていました。私はこの問題を何とかしたいと思いましたが、どうしたら解決することができるか分かりませんでした。IVYのトレーニングを受けているうちに、村の発展のことをよく考えるようになりました。今ではリーダー間でアイディアを出し合い、解決することができます。私たちの力で作った米銀行は、私たちの誇りです。 エンパワーメント指標 ①参加した　　　　　　　②発言した ③意識が変化した　　　④行動した ⑤連帯した　　　　　　　⑥協力した ⑦創造した　　　　　　　⑧新たな目標を持った ⑨交渉した　　　　　　　⑩満足した ?自信をもった　　　　　?運営?資金管理をした 定性的評価の課題 ベースライン調査の重要性 語りの妥当性 継続性 経済活動への発展性 変わるのは私たち Who’s Reality Counts? Robert Chambers Putting the Last First, Putting the First Last. * 開発途上国の貧困を解消することを究極の目的とする「開発」は、1945年以降の世界が取り組んできた大きな課題の一つでした。国連をはじめとする国際機関、NGOなどの開発援助機関は、その時代毎に、貧困の原因を追究し、開発戦略を構想し、貧困削減に向けた実践を試みてきました。私たちの国際協力という仕事は、本来なくなることを目的にしたものですが、残念ながら21世紀の今日にあっても、テロの脅威や経済格差に対して今後ますます必要とされていく仕事だろうと思われます。 まず、開発援助の大きな潮流を押さえていきたいと思います。 第2次世界大戦後は、経済成長を第1の目的とした開発戦略が国際開発の主流を占めていました。共産主義への対抗策として、経済成長の最終段階を当時のアメリカをモデルとして、他の全ての国々がアメリカと類似の段階を辿るという「単線モデル理論」が構想されました。しかし、経済力の集中した「成長拠点」を作り、そこから波及する「投資が投資を呼ぶ」効果に期待する「浸透理論」（Trickle Down Theory）は実際には起こらず、先進工業国と発展途上国との経済格差は顕著に広がり、さらには国内でも貧富の格差を深刻化するという結果を生み出しました。このような開発理論は、経済発展の恩恵が広く浸透する（トリックル?ダウン）どころか、一部の富裕層に富が吸い上げられてしまう（トリックル?アップ）と批判された 1970年代に入ると、経済成長よりも雇用と所得の再分配を重視し、貧困の解決を第一の目的とする戦略が登場します。国際労働機関（ILO）は1976年に世界雇用会議を開催し、「人間の基本的ニーズ」（Basic Human Needs=BHN)の充足に力点を置いた開発戦略を提示します。開発援助のオピニオン?リーダーでもある世界銀行も、人的資本への投資が経済的に有効であると見なすようになり、この概念を採用するようになりました。これ以降、経済開発の目標を単に1人当たりのGNPの増大に求めるのではなく、人間の能力開花、生活の質の向上に求めるべきだとする考えが一層強まっていった。 1980年代になると、多くの途上国で、累積債務問題などにより経済成長率が著しく低下し、「失われた10年」と呼ばれるような状況が生まれていました。従来の経済成長を重視する開発戦略は、「北」「南」を問わず世界的にも各国内でも貧富の格差を拡大させ、貧困層の増大をもたらしました。これは、世界各地で発生している民族紛争、国内紛争、社会的疎外、差別や暴力などの社会問題のひとつの大きな背景であります。 ここに1990年代以降、新たに人間開発、社会開発が開発の中心目標に据えられた理由があるといえます。経済開発へのアンチテーゼとして、人間開発、社会開発が注目され、開発戦略に大きな転換が生じることになります。国連開発計画（UNDP）は、BHN戦略の延長線上に「人間開発」（human development）の必要性を強調 します。1993年に、UNDPが『人間開発報告書』のメインテーマとして参加型開発を取り上げるようになると、「人々の意思決定過程への参加がグッド?ガバナンスをもたらす」という議論に変化する。参加型開発では、人間が開発の中心にあり、途上国の人々が主体的に開発の意思決定過程へ参加していくことが重要視される。そしてその過程において、エンパワーメントが達成されることが、参加型開発の一義的目的となります。 次に、開発のコンテクストの中で「エンパワーメント」がどのように普及してきたかを歴史的背景からみていきたいと思います。 「エンパワーメント」という用語は、女性が個人でなく共同で行動することが真の「力をつける」ことで