第1章電気災害の概念-wakwak.docVIP

電気災害の概念 1－1　電源の停止と対応 　電気は文化生活の基盤であり、無くてはならないものの一つであります。現代の社会生活の中で、最も重要なものであります。ということは、電気が無くては社会生活かなり立たないというものです。このような便利な電気であるが、電気による災害の発生は、何時、何処ででも発生し、生活基盤を圧迫するという危険性をもっています。 電気による災害を大別すると次の3項目に分類することができ、それぞれの分野で必要な手段が講ぜられております。 停電とその影響 電気による人身傷害 電気による火災の発生 　この3要素に付帯して、次の点も電気の使用段階で考慮していかなければなりません。 電気の効率的使用 電気による省力化 その他 電気災害を防止するためには、次のような法的な規制よって電気設備のそれぞれの対応が規制されております。この法的規制にしたがって設備を運営し、取り扱いをする必要があります。法的規制は主として次の3点ですが、特殊設備においては、それぞれの法的対象とされるものもあります。（電波法関連、鉱山保安法関連その他多数） 設備面の骨子　電気事業法関連規則等 取扱面の災害防止　労働安全衛生法関連規則等 火災発生の防止　消防法関連規則等 このように規制が多岐にわたっているということは、電気設備に関係する設計?製作?工事?取扱い等に携わる各部門の担当者等は、「電気災害の発生防止」と「その対応」を念頭において平素の活動を進める必要があります。 災害とは、人身傷害を伴う場合を総称していますが、停電?人身傷害?火災と電気事故等の兼ね合いを明文化することはできません。このため、ここでは、総合的な判断にたって話を進めることとします。 電気による災害は、設備の改善、取り扱い安全によって大幅に減少していますが、これらの改善策の裏に隠れた「人との兼ね合い」を無視することはできません。計画から取扱いまでの各部門の人との兼ね合いが基で発生する災害起因が大きなテーマになっているからです。 電気災害の起因となる人との兼ね合いには、次のようなことが上げられます。 計画?設計に関わるもの　 物の設計面の安全配慮の欠如、人間工学的な配慮、安全距離等、設備設計面における機器配置、機器間距離等で設計者の安全教育面の徹底が必要なものが見受けられます。 取扱い面に関わるもの 　電気設備の運営には、電気主任技術者「1種、2種、3種」がありその対応が決められています。電気工事士「1種、2種及び特殊」がありその対応が決められています。事業所の電気設備の取扱いには「特別教育修了者」があり、それぞれの技術的内容を分担するようになっています。火災防止のためには、消防法に定められた、設備士等が必要でそれぞれを分掌するようになっています。その他の規制がされています。 　また、これらの取扱い面から発生する人身障害を防止するためには、労働安全に係わるものとして、「労働安全衛生規則等」で災害防止のための、いろいろな防止手段、方法が明示されています。法的な明示が十分でない「安全作業手順」を作成して実行することがとくに求められています。電気災害の防止のためには、「保護具等の着用」と「安全作業手順の励行」が必須の要素になります。 1－2　停電とは 　電気エネルギーは主として商用電源を基として、50Hz、60Hzの周波数により、広域運営された電力会社の配電網から供給されております。このように、広域運営されています電力網は互いに連携され、一度停電が発生すると自家用であっても、他に波及事故として波生することがあります。 停電とは、「他動的要因または故意に電源が停止された状態」をいいます。他動的要因とは、自己の責任の範疇外の起因によって、電源が停止されるもので、故意とは自己の意思の有無にかかわらず、自己の責任の範囲内で発生する災害?事故が基で電源が停止されたものです。電気は広域運営される公共施設であるから、一点の停電が他に波及したり、他からの影響を受けないように配慮する必要があります。したがって、自己の施設による災害?事故の際には、停電を一点に抑える必要があります。 　このような停電か発生すると、ありとあらゆる電気機器は停止し、生産活動の停滞、中止、サービス活動のストップ等が生じ、その影響ははかり知れないような極めて大きなものとなります。主なものを上げてみますと次のとおりです。 工場等の生産活動の停止、再活動による損害等 病院等の手術室、保育室等における生命の危険性 通信機器等の不調による社会的混乱 消防設備、保安設備?機器停止による危険性 コンピュータ停止による混乱し障害 その他多数のものが想定されます。 　このような社会活動の全般に及ぶ停電は、関係機関等の不断の努力により、停電発生は非常に