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294 第4 編 電 気 第 編　電　気 294 4 第2章 電気機器 第1 節 総 説 1 電気機器の分類 電気機器は広義には発電機，電動機，変圧器，整流器等のエネルギーの変換に用いられる機器と， 遮断器，開閉器，避雷器，盤等の機器が含まれるが，本章では前者を対象とする。 エネルギーの変換では，機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機，電気エネルギーを機 械エネルギーに変換する電動機，電気エネルギーの状態を変える変圧器（電圧変化），整流器（交流 電気を直流電気に変換）に分類できる。また変換時の動態から，発電機・電動機は回転機，変圧器や 整流器は静止器との分類ができる。 機器の構成は，主要機能面から，①構造部分，②鉄心等の磁気部分，③巻線等の電気部分，に区分 できる。 2 電気機器の定格 電気機器の定格とは，その機器に対して指定された回転速度，電圧，周波数，周囲温度などの条件 のもとで，機器が使用できる限度である。通常の機器では，使用限度を出力で表し，これを定格出力 という。定格出力の単位は，［Ｗ］または［ｋＷ］である。この場合，機械的出力がある機器（電動 機など）では問題ないが，電気的出力のある機器のうち交流出力のものでは，負荷によって出力側の 力率が変動し，［Ｗ］または［ｋＷ］値が定まらず，不都合である。そこで電気的出力のある変圧器 では［ＶＡ］または［ｋＶＡ］で表し，交流発電機では［Ｗ］または［ｋＷ］と力率（定格力率）を 併記する方法を用いる。 定格は，一般に，①定格出力または定格容量，②定格電圧，③定格電流，④相数または周波数，⑤ 定格回転数 ，⑥定格の種類（連続または短時間）, ⑦型式等であり，鉄板に表示する。 定格で指定された条件を大きく外れて使用する場合は，特性の変化を来し，不経済な運転になった り，温度上昇が大きく機器寿命を減じたり，焼損をきたす等影響が大きいので，特性変化を認識して 使用する必要がある。 電気機器の出力を制限するものにはいろいろあるが，通常の機器では，巻線その他の導電部に施さ れた絶縁体の許容温度が主要なものである。使用上の許容最高温度は絶縁物の劣化に関係する。すな わち，この許容温度を超過すると著しく劣化が進み，すぐ焼損には至らずとも寿命を短くする。一般 に，8～10℃超過するごとに絶縁物寿命は1/2になる。機器温度上昇の基準とする媒体温度は，空気で は40 ［℃］，水では25 ［℃］である。 回転機（電車用主電動機を除く）および静止誘導機器の温度上昇限度を，各々表4.2，表4.3 に示す。 第2 章 電気機器 295 第 章　電気機器 2 295 表4.2 回転機（電車用主電動機を除く）の温度上昇限度（℃） 表4.3 静止誘導機器の温度上昇限度（℃） 第4 編 電 気 296 第 編　電　気 296 4 3 電気機器の損失 電気機器の損失の主なものを次に示す。 (1) 機械損 軸受摩擦損，ブラシ摩擦損，風損などで速度が一定ならば電流に無関係にほぼ一定である。 (2) 鉄 損 磁器回路を構成する鉄心内で磁化の方向が交互に変わるために鉄心部に生ずる損失で，ヒステリシ ス損と過電流損とから