外科専門研修プログラム -wwhp.md.shinshu-u.pdfVIP

外科専門研修プログラム 診療科の特色 信州大学医学部附属病院では、外科の進歩と信州大学の特色を生かして、外科を６つの専門診療科とし、それぞれ活発な活動 をしています。すぐれた外科スタッフが一同力を合わせて一貫した方針のもと、現在信州大学外科に所属する外科医はもちろんの こと、将来外科医をめざす人たちにとって、高水準で効率的な診療、研究、教育を達成するために日夜努力しています。 専門研修の魅力 外科 （１） 消化器外科：肝 ・胆 ・膵グループと消化管グループからなっています。 ○肝 ・胆 ・膵グループ （宮川 眞一 教授、小林 聡 准教授） 我々は肝胆膵領域の悪性疾患、すなわち肝癌（肝細胞癌、胆管細胞癌、転移性肝癌）、胆道癌（肝門部領域胆管癌、 遠位胆管癌、胆嚢癌、Vater乳頭部癌）、膵癌などに対する外科治療、抗癌剤治療を中心に行っています。年間手術数 は、肝切除70例、膵切除40例、鏡視下手術70例ほどです。 難易度の高い、この領域の手術における安全性と根治性の両立が我々の目指すところです。そのために根治を 目指 した拡大手術を最小限の出血量で施行し、細心の注意を払って日々周術期管理を行っています。実際、死亡率・合併 症率が高いと言われている肝葉切除＋膵頭十二指腸切除術の短期、長期成績は、ともに国内トップクラスです。また、 肝胆膵領域への鏡視下手術の適応拡大に伴い、肝癌や膵良性・低悪性度疾患に対する腹腔鏡下手術も積極的に行っ 宮川 眞一 教授 ています。 個人のキャリアアップに対する学術的なサポート（学会活動、論文執筆）にも力を入れております（Hosoda K et al. Neuroendocrine tumor of the common bile duct. Surgery. 2016）。 ○消化管グループ（鈴木 彰 講師） 消化器疾患のうち、悪性疾患として食道癌、胃癌、大腸癌、悪性リンパ腫、gastrointestinal stromal tumor (GIST)など、良性疾患として炎症性 腸疾患 （クローン病、潰瘍性大腸炎など）、腹部救急 （胃や腸管の穿孔など）の外科的治療を担っています。また、食道癌に対する胸腔鏡下食道 切除および腹腔鏡補助下胃管再建術、胃癌に対する腹腔鏡補助下胃切除術、大腸癌に対する腹腔鏡補助下結腸切除術あるいは直腸切除術 など、今後必要不可欠となる消化管腹腔鏡下手術も定型化され、積極的に行っています。手術以外にも食道癌、胃癌、大腸癌に対する標準的 化学療法、呼吸管理を含めた重症全身管理、さらには癌緩和医療と多岐にわたる研修が行えます。 移植外科、小児外科 ○移植外科グループ （宮川 眞一 教授、浦田 浩一 准教授） 当科での肝移植は、1990年6月19日の本邦第3例目となる生体肝移植の実施から始まりました。当時７歳であった患児もすでに社会人となり、 本邦の生体肝移植患者の中で最長生存となっています。1993年には世界で初めて成人間生体肝移植に成功しました。また、1999年に本邦第１ 例目となる脳死肝移植を実施しました。当科では、これまでに302例の生体肝移植と16例の脳死肝移植を施行しており、生体肝移植では成人例 で５年、１０年、１５年生存率が83％、75％、67％であり、小児例では88％、86％、83％です。2013年には膵島移植施設としても認定されています。 当科での研修により、移植手術、免疫抑制療法を含む術後管理を経験できます。 ○小児外科グループ （他院での研修含む） （大野 康成 助教） 鼠径ヘルニア、臍ヘルニアなどの一般的な小児外科疾患や虫垂炎などの緊急疾患 （特に院内発症の小児外科疾患）に対応しています。また、 腹腔鏡下での胆嚢摘出術や脾臓摘出術を肝 ・胆 ・膵グループと、胆道閉鎖症や乳児肝炎などで肝移植以外に救命手段がない場合の小児肝 移植術を移植外科グループと協力して行っています。県内の小児外科関連施設での研修を含みます。 外科 （２） 心臓血管外科、乳腺 ・内分泌外科、呼吸器外科 ○心臓血管外科 （岡田 健次 教授、福井 大祐 准教授） 心臓血管外科は、心臓チームと血管チームが、循環器内科、小児科の３診療科と一致協力して“先端心臓血管病セ ンター”として、長野県の循環器医療の最後の砦として活動しています。心臓チームは、虚血性心疾患、弁膜症、胸部 ・ 胸腹部大動脈、心不全など、血管チームは胸部 ・腹部大動脈をはじめ、頸動脈、四肢末梢動脈、静脈疾患の治療を行っ ています。 5名の専