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* 第2回　権力とは何か 公共政策大学院 鈴木一人 kazutos@eis.hokudai.ac.jp 政治は人々の中にある 複数の人間が存在する限り、そこに政治はある 先生が指示を出す→学生が指示に従って行動する 親が子供に口を出す→子供がそれに反発する 政治を学ぶことは人間関係を学ぶこと サークルやバイトやグループの中で何かを決定し、その決定を実行することは政治的な行為 どうやったらうまく決定できるか、うまく実行できるかを考えるのが政治学 * 政治とは何か 広辞苑 人間集団における秩序の形成と解体をめぐって、人が他者に対して、また他者と共に行う営み。権力?政策?支配?自治にかかわる現象。 大辞泉 主権者が、領土?人民を治めること。2. ある社会の対立や利害を調整して社会全体を統合するとともに、社会の意思決定を行い、これを実現する作用。 現代政治学小辞典 1．他者をも含んだ共同決定の秩序をどのように作るか。2．他者を巻き込むどのような決定をするか。 * 政治を学ぶときのキーワード 秩序（Order） 何らかの法則に従って「こうあるべき」という理解が社会の中で共有されている状況 例）エスカレーターに乗る時は左側に立つ（東京や札幌では） 統治（Govern/Governance/Government） ある決定を行い、その決定を実行し、社会全体にその行為を履行させること 例）選挙で議員を選び、法律を作り、その法律を施行する 利害（とその調整） 他者と共存して共同体に生きる限り、利害の対立が発生する。その利害を調整するのが政治 * 政治がもつ二つの側面 政治を成り立たせる基盤 秩序がなければ無秩序状態→決定も実行もできない 秩序があったとしても強権的な権力によって作られた秩序なのか、同意に基づく秩序なのかで大きな差が出る 秩序はどのように守られるのか、維持されるのか 「規範」をいかに成立し、「正統性」をいかに確保するか 政治を実行するための手段と方法 どのような手段で決定するのか どのような目的や利害を目指すのか 誰が決定を行い、誰が実行するのか 「政策」や「立法」、「政策過程」など * 政治を動かすパワー：権力 「権力（power）」とは AがBに対してBが望まないことであってもBにさせる 権力はどのようにして生まれるか 恐怖→何らかの脅しを受けることで実行する 物理的強制力による権力 勧誘→何らかの見返りを期待して実行する 物質的誘因力による権力 説得→納得して実行する 論理による知的道徳的権力 同意→Aが働きかけなくても実行される 「常識」やイデオロギーによる規範的権力 権力はあらゆるところに存在する * 統治をおこなう国家権力 国家は権力を持っている 警察や軍といった実力組織による物理的強制力 法律を作り、法律に従わなければ身体を拘束する 補助金や福祉などによる物質的誘因力 国家に依存しなければ生きていけない状況を作る 国会審議や政府からの情報提供による説得 愛国心やナショナリズムを喚起することによる同意 権力を用いて秩序ある社会を作る国家 国家権力は「悪」ではない。国家権力がなければ安定した秩序は得られない。権力の乱用を防ぐための制御が必要 国家権力の制御→憲法、民主主義 * （参考）講義の進め方 講義は試験以外、紙を配布しない（ペーパーレス） パワーポイントのスライドはウェブで公開する http://lex.juris.hokudai.ac.jp/~kazutos/intro2016/index.html 講義前日までにはアップロード／事前に入手し予習する パワーポイントのデータを使いやすいように改変することは可。しかし、データを無断で再利用するのは禁止 授業はパソコン?タブレット持込み可。 質問はメールで受け付ける 講義当日中の質問に対してはウェブ上で回答する コメントや希望?要望などでもよい * （参考）シラバスからの変更点 成績について シラバス：「毎回の授業の際に課すレポート（講義のまとめと質問）が50％、期末試験（論述と穴埋め）が50％」 変更後：「中間レポートが50％、期末試験（論述と穴埋め）が50％」 教室入退室時にカードリーダーに学生証をかざすこと レポートテーマ：「民主主義?政党?官僚制の三つのキーワードを使って、現代日本の政治について自由に論じなさい」 提出日：5月31日23:59 提出方法：メールで提出（kazutos@eis.hokudai.ac.jp) 2000字以上（Wordで作成） 「論文作成ガイドブック」参照 http://lex.juris.hokudai.ac.jp/~kazutos/guide/guide.pdf http://www.juris.hokudai.ac.jp/