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LC/MSによる環境汚染物質の分析条件の検討　 －マネブ系農薬、界面活性剤の分析― 米久保淳（日本ウォーターズ）、花田喜文　 北九州市環境科学研究所 Study for Analytical Conditions of LC/MS on Environmental Sample, - Analysis of N,N’-Ethylenebis dithiocarbamate Fungicides and Surfactants, by Jun YONEKUBO Nihon Waters and Yoshifumi HANADA Kitakyushu City Inst. of Env. Sciences １．緒言 近年，環境ホルモン（外因性内分泌撹乱物質、EEDs）に代表されるように、環境中の汚染物質に対する関心が高まっており、環境?食品中のこれら有害物質の残留分析が見直されている。この流れは、従来から「農薬登録保留基準（保留基準）」や「食品衛生法に基づく食品、添加物等の規格基準（残留農薬基準）」等の法規制の形でモニタリングされてきた残留農薬の分野でも例外ではなく、これら化合物の分析法として、現行法ではガスクロマトグラフィー/質量分析 GC/MS 法、蛍光検出高速液体クロマトグラフィー HPLC 法が採用されている。加えて高速液体クロマトグラフィー/質量分析 LC/MS 法による応用例も数多く報告され、一部は実用化し始めている。今回、１）近年のEEDs及びPRTR法の対象物質にも列挙され、環境汚染が懸念されているにも関わらず、従来法では分析が困難であったマネブ類の誘導体化物のLC/MS法による分析、２）カチオン性界面活性剤として、繊維柔軟剤や整髪料に含有され、環境水への流出が懸念されている長鎖アルキル基を有する4級アンモニウム化合物のLC/MS法による分析について報告する。 ２．実験方法 ２．１ マネブ類の分析 試料前処理：試料500mLにL-システィン1g及び0.4Mアルカリ性EDTA溶液200mLを加え、10分間振とうした後、0.41M硫酸水素テトラブチルアンモニウム10mLを加え、2M塩酸でpH７に調整した。0.1Mヨウ化メチル含有クロロホルム-ヘキサン 3:1 100mLで10分間振とう抽出後、有機相を再度、80mLの0.1Mヨウ化メチル含有クロロホルム-ヘキサン 3:1 で振とう抽出した。この有機相を合わせ、30分間静置して誘導体化を促進させた後、ロータリーエバポレータで1mLまで濃縮した。 試料溶液の調製：試料 前処理液にアセトニトリル20mLを加え、ロータリーエバポレータで1mLに濃縮して溶媒転溶後、Sep-PAK plus C18カートリッジへ負荷、アセトニトリル8mLで溶出し、ロータリーエバポレータで乾固寸前まで濃縮、アセトニトリルで正確に1mLに定容したものをLC/MSに供した。 エチレンビスジチオカルバミン酸ジメチルエステルの合成： 定量に用いるエチレンビスジチオカルバミン酸ジメチルエステル（EBD-dimethyl）の標準品は、次に示す操作で合成した。1,2-ジアミノエタン3gを96%エタノール25mLに溶かし、0.05M二硫化炭素エタノール溶液を攪拌しながらゆっくり加えた。生成したペレット状の白色沈殿をガラス棒で細かく砕き、攪拌しながらヨウ化メチル7.1gを滴下した。沈殿物が少なくなるまで攪拌し、ろ過を行った後、得られたろ液に精製水150mLを加えて生成した白色沈殿を回収した。これを実験室で一昼夜風乾した後、クロロホルムで二度再結晶を行った。なお、この時の収率は20%程度であった。 LC/MS分析： マネブ類の分析条件をTable 1に示した。 Table 1．LC/MS analyitical conditions for N,N’-Ethylenebis dithiocarbamate Apparatus: Alliance Platform LCZ（Waters） Column : Inertsil ODS-80A（Φ1.5x 250mm,5um） Inj.vol : 1 uL Mobile Phase:A CH3CN,B H2O A40%:B60%→ 10min. →A100% 30min. Flow rate: 0.1mL/min. Column Temp.:30℃ Ionization: ESI negative mode Cone Vol. :10V ２．2 4級アンモニウム化合物のLC/MS法による分析 試料溶液の調製：n-デシルトリメチルアンモニウム DTMA , n-ドデシルトリメチルアンモニウム DDTMA , セチルトリメチルアンモニウム CT