定量分析・定性分析を活用した成果.pdfVIP

4．定量分析 ・定性分析を活用した成果測定モデルの構築 今後、学校と地域の連携による成果をより的確に測定し、関連施策や活動の評価 ・改善に結び 付けていくためには、以上で見てきたような定量的な分析と定性的な分析を組み合わせ、双方を 有機的に活用することが望ましい。その具体案として、本調査では以下のような調査 ・分析手順 からなる成果測定モデルを構築した。 ① 成果測定の目的・対象の明確化 具体的な調査 ・分析の前提として、国や教育委員会として成果測定の目的 （何のために 成果測定を行うのか：説明責任を果たすため、施策や活動の立案・実施 ・改善に資する 情報を収集するため 等）及び対象 （何についての成果を測定するのか ：施策全体、教 育委員会の支援策、学校の諸活動 等）を明確にする。 ② 成果測定指標の整理 ①を踏まえ、成果測定のための効果指標及び要因指標を整理する。指標整理にあたって は、本調査において検討した「図表 2-2 効果指標」、「図表 2-3 要因指標」、「図表 2-16 継続的な評価に際し、より有効と考えられる効果指標」が参照可能である。 ③ アンケート調査の実施 （調査対象 ・規模の決定、調査票の作成 ・配布 ・回収） ①及び②を踏まえ、アンケート調査を実施し、定量分析を行うためのデータを収集する。 調査票作成にあたっては、本調査において作成した 「参考資料１ アンケート調査票」 が参照可能である。なお、調査対象としては、本調査で検証したように学校 （管理職 ・ 教職員）、保護者、地域住民が主に想定され、市区町村教育委員会が窓口となり、調査票 の配布 ・回収を行うことが考えられる。 ④ 定量分析の実施 （アンケート調査結果、既存統計の活用） ③を通じて収集するデータ及び既存統計を活用して、学校と地域の連携による効果及び 効果に影響を与える要因について定量分析を実施し、発現している効果、効果と要因の 関係性について整理する。定量分析にあたっては、本調査において検討した 「2.4 効果 測定の実施」、「2.5要因分析の実施 （効果 ・要因関係の整理）」で整理している分析方法 が参照可能である。なお分析の実施主体としては、国が各教育委員会からデータを集約 して担うほか、各教育委員会が独自に分析することも考えられる。 ⑤ 定性分析の実施 （ケーススタディの実施、結果の活用） ④を踏まえ、定量分析結果の妥当性や背景要因等を各地域・学校の実情に即して検証し、 施策や活動の評価 ・改善に資する知見を得るため、定性分析 （個別事例の関係者に対す るヒアリング調査等）を実施する。定性分析にあたっては、本調査において整理した「図 表 3-2 グッドプラクティス集の体系～取組の時間経過に即した分類 ・体系化～」が示 すような取組の分類・体系や、「図表 3-4 準備期における取組 （目次）」「図表 3-5 導 84 入 ・基盤形成期における取組 （目次）」「図表 3-6 定着期における取組 （目次）」が示す 課題やポイント、「3.5 グッドプラクティス集」が示す個別の取組、効果、成功要因等が、 検討時の視点として参照可能である。 ⑥ 分析結果の反映 ⑤を踏まえ、①で明確化した目的と照らして有益な知見を整理し、説明責任の達成、学 校と地域の連携に係る施策や活動の改善等に結び付ける。 以上で示した成果測定モデルの全体像は、図表 4-1のように整理することができる。 図表 4-1 定量分析と定性分析の双方を有機的に活用した成果