赤芽球痨.PDFVIP

第 Ⅱ章．赤芽球癆 赤芽球癆 Ⅱ 資料 診療の参照ガイド 4） ホートにおける解析が可能 となった ． 1．緒　言 赤芽球癆診療の参照ガイドは平成 17 年 3 月に初版 5） 1）はじめに が公表 された ． この 「赤芽球癆診療の参照ガイド改 赤芽球癆 （pure red cell aplasia ：PRCA）は，正球 訂版 （第 2 版）」は上述の特発性造血障害調査研究班 性正色素性貧血 と網赤血球の著減および骨髄赤芽球 による調査研究の成果 を踏 まえて改訂 されたもので の著減 を特徴 とする症候群である．先天性 と後天性 ある．特 に，特発性赤芽球癆，胸腺腫合併赤芽球癆 があり，先天性赤芽球癆 としてDiamond-Blackfan および大顆粒 リンパ球 白血病関連赤芽球癆の長期予 貧血がある．後天性 は臨床経過から急性 と慢性 に区 後 と寛解維持 における免疫抑制療法継続の必要性が 4, 6～8） 分 される．後天性慢性赤芽球癆 は病因不明の特発性 明 らかにされたことは貴重 な成果である ．本診 1, 2） と基礎疾患 を有する続発性 に分類 される ．後天性 療参照 ガイドが臨床現場 における decision making 慢 性赤芽球癆 の年 間罹 病 率 は，再 生不 良性貧血 に役立つことを願 うとともに，後天性慢性赤芽球癆 （aplastic anemia ：AA）の年間罹病率の約 7％と推定 の本態が解明され治療法がさらに進歩することを期 されている．再生不良性貧血 の年 間罹病率 は人口 待する． 3） 100 万人あたり 4.1 人 と報告 されている ． 後天性慢性赤芽球癆の病型は多様であることから， 2）作成法 その原因によって治療効果が異 なることは容易 に想 「厚生労働科学研究費補助金　難治性疾患克服研究 像 される． しかしながら，それぞれの病型 ごとの免 事業 ：特発性造血障害 に関する調査研究班」 （研究 疫抑制療法の有効率，寛解維持療法の要否，長期予 代表者　小澤敬也）の研究者 を中心 に，診療参照 ガ 後 についてはほとんど明 らかにされていなかった． イド作成のためのワーキンググループを編成 し，evi- 厚生労働省特発性造血障害 に関する調査研究班 （小 dence-based medicine （EBM）の考 え方に沿って，で 峰班 ・小澤班）は後天性慢性赤芽球癆 に対する治療 きるだけ客観的 なエビデンスに基づいて作業 を進め ガイドラインを作成することを最終的な目標 として， た． ワーキンググループで作成 された案 は上記研究 日本における成人慢性赤芽球癆の病因，治療および 班の平成 22 年度合 同班会議総会 において提示 され， 長期予後 を明 らかにするべく，2004 年度 と2006 年 検討のうえ承認 された． 度にアンケートによる全国調査 を行 った．その結果， 185 例のヒトパルボウイルス B19 によら