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分類 取組 A10 京のブランド野菜「花菜」の根こぶ病防除体系の確立に向けた調査研究 番号 名称 研究代表者： 生命環境科学研究科 職 ・氏名： 講師・辻 元人 研究担当者（敬称略）： 京都府立大学（久保中央、伊達修一）、外部分担者（木村重光、小野愛） 外部協力者（井ノ上良浩、齋藤篤、道家章生、林田吉王、伊藤甫） 主な連携機関 （所在市町村、機関（部署）名） 長岡京花菜部会、JA 京都中央、和束花菜部会、JA 京都やましろ、京都乙訓農業改良普及センター、 京都府農林水産技術センター海洋センター、京都府農林水産技術センター生物資源研究センター、長 岡京市役所 【研究活動の要約】 「花菜」はナバナとも呼ばれ、抽苔した花蕾と茎葉を食用にするツケナ類の総称である。京都府に おいて花菜は「京のブランド野菜」として生産振興が図られており、その作付面積は府内全体で約 30 ヘクタール、主要な産地は長岡京市、和束町、亀岡市などである。近年、その生産現場において 根こぶ病の発生事例が増加し、安定生産を脅かす問題となっている。そこで私たちは根こぶ病防除 体系の確立に向けた調査研究を進めている。今年度は、圃場ごとの発病危険度の予測をはじめ、発 病と経済的損失量の関係についての調査、発病危険度が高く栽培困難な圃場における回復技術の検 証、化学農薬に代わる新規防除手段の開発に向けた研究を行った。 【研究活動の成果】 (1) 府内 55 箇所の花菜栽培圃場について土壌サンプリングを行い、その解析結果から各圃場の発病 危険度を予測し、花菜栽培開始前に生産者に結果通知と併せて防除手段の提案を行ったところ、 発病が回避される傾向であり、危険度予測の重要性が明らかになった。 (2) 土壌の病原菌密度が高く栽培困難と判断される圃場について、おとり植物を用いた菌密度低減効 果の検証を行った結果、おとり植物の春播き処理により病原菌密度が5～10 分の１程度に減少す ることがわかった。 (3) 土壌診断では発病危険度が低いと予測されたにもかかわらず甚発生が認められた圃場について、 罹病根より病原菌を分離し、解析した結果、既存の手法では検出不能な変異菌であることがわか った。 (4) 5 つの花菜圃場より計240 株の根圏細菌を単離し、その中から根こぶ病の防除に有望な5 菌株を 選抜することに成功した。 (5) ヒバマタ目褐藻アカモクの養殖残渣の有効利用法の探索の一環として、根こぶ病防除効果を調べ た結果、圃場レベルの試験ではその効果は認められなかったものの、無処理区と比較してアカモ ク施与区で花菜の収量が増加する傾向がみられた。 【研究成果の還元】 平成28 年5 月19 日：静岡県男女共同参画センター、関西病虫害研究会第98 回大会（約100名） 平成28 年7 月12 日：京都府乙訓農業構造改善センター、第28 回長岡京花菜部会総会（約40 名） 平成29 年1 月13 日：京都府乙訓農業構造改善センター、第28 回長岡京花菜部会目合せ会（約30 名） 平成29 年3 月9 日：キャンパスプラザ京都、第6 回根こぶ病研究会（約80 名） 平成29 年3 月７日：ルビノ堀川、平成28 年度京都乙訓農業セミナー（約80 名） 平成29 年3 月14 日：京都府乙訓農業構造改善センター、花菜の交配技術指導講習 （約20 名） 平成29 年4 月26-28 日 （予定）：岩手県民情報交流センター、日本植物病理学会 （約1000名） 【お問い合わせ先】 生命環境科学研究科 植物病理学研究室 講師・辻 元人 Tel: 075-703-5664 E-mail: gnosjiutte@kpu.ac.jp 参考 （イメージ図、活動写真等）