星状神経節ブロックの 齢者の認知症予防の可能性に.PDFVIP

ペインクリニックにおける星状神経節ブロックの 高齢者の認知症予防の可能性について ー特に初期段階における予防効果について― １ １ ２ ２ ３ ○篠崎洋二 、福本 悟 、笠原真悟 、佐野俊二 、荻野景規 医療法人篠洋会 篠崎クリニック１ ２ 岡山大学医歯薬学総合研究科 心臓血管外科 、 ３ 岡山大学医歯薬学総合研究科 公衆衛生学 、 岡山大学大学院保健学研究科⁴ 目的 我が国の認知症はついに３００万人を超え、いまや、大きな社会 問題となっている。適切な予防法がない限り、認知症はさらに、 増加の一途を辿ることが確実と思われ、その予防は急務である。 一般に、頸肩腕症候群や肩関節周囲炎等の慢性疼痛は、自律 神経の緊張状態を誘導することが知られている。 自律神経の異常は、脳血管のれんしゅくを誘導することにより、 慢性的な脳虚血を増強し、結果として、認知症を増悪させる因子 となる可能性が高いと考えた。 そこで、星状神経節ブロック(以下SGB)を併用して、ペインコント ロールを行った比較的認知症の軽い（平均 ＨＤＲ－Ｓ 27.4)要 支援・要介護症例（当院デイケア利用者２９例）に対し、SGBの認 知症の予防効果について検討を行った。 【対象】 • 評価可能な29例の、比較的認知症の軽いHDS- R平均27.4)のデイ ケア通所者（平均年齢 82.1歳、通院歴平均5.8年)について、SGBの短 期的及び長期的な効果についての評価を行 なった。 • 短期的なSGBの効果については、SGB前、SGB施 行60分以内、60分以後について比較検討をお こなった。 • 長期的な効果については、経過中における、 入院の必要な重大疾病の発生の有無、慢性的 な疾病の有無に分類して、検討した。 【背景因子】 男性 ５名 年齢平均 女性２４名 82.1歳 ＨＤＳ-Ｒ平均 ２７．４ 平均観察年数 5.8年 点数 星状神経節ブロックによる 認知症の急性期の変化について -長谷川式スケール（ＨＤＳ-Ｒ）による評価 - 星状神経節ブロック療法による脳血流の変化について -文献的考察 - 星状神経節ブロックによ り、脳の血流は1.8倍に 増えるとされている。 星状神経節ブロック療法 第3版の記述より 武蔵野病院名誉院長 若杉文吉 著 SGB前後のMRI像（STIR像）の変化 軽いCT値の改善を認めるようである。 SGB施行前 SGB施行後 星状神経節ブロックによる 長谷川式スケールの急性期の変化 SGB直後の長谷川式スケールの変化 120%