日本消化器内視鏡学会が公認する最近の内視鏡治療学.pdfVIP

日本消化器内視鏡学会が公認する ライブデモンストレーションの開催指針(案) はじめに 最近の内視鏡治療学の進歩はめざましく、その対象病変は拡大の一途を辿っ ているが、この診断治療技術を正しく普及させるためには、外科医の場合と同 様、実践的な教育法が必要不可欠である。この意味で、ライブデモンストレー ション（ライブデモ）は、聴衆が実技演者と同じ時間的空間の中で、目前に展 開する治療技術の粋を確認しながら、潜在する危機や困難への対処法を習得で きるなどの点で、きわめて有力な教育法である。 しかし、ライブデモは、一方において患者を聴衆の面前に晒してしまう、あ るいは、想定を越えた医療上の危機に直面させてしまうというようなリスクを 有しており、患者の安全確保はもとより、人権擁護をはじめとする倫理的側面 について細心の配慮が不可欠である。このため、欧米各国では学会等が示した 一定の指針の下、これを遵守する形で開催されているが、わが国では共通の指 針もなく、開催の適否については各施設の判断に任されているのが現状である。 そこで、日本消化器内視鏡学会（JGES）は、今般、会員ならびに内視鏡技師、 コメディカルを対象としたライブデモのうち、申請書類等により質的保証が得 られていると判断されるものについては、これを公認することとし、そのため に必要な指針を作成した。なお、本指針を遵守してもなお事故等のある時には JGES は事故対策委員会を組織し、その原因を究明し、再発防止に努めるものと する。 第１ 内視鏡ライブデモの開催目的・受講対象者及び内容 1. 主たる開催目的は以下のものとする。 ①未経験者若しくは経験の浅い者、並びに技術向上を目指す者 への教育・指導 ②実務家の研修・技術向上 2. 内容は消化器内視鏡領域の診断・治療に関わる実技講習とする。 第２ JGESの関与の基本形態 ① JGESは、JGESが共催する内視鏡ライブデモ教育イベント（以下「ライブ 教育」といい、共催されたライブ教育の申請者を「主催者」という）を指 導・監督するための「JGES ライブ教育小委員会」（以下「JGES ライブ教育 委員会」という）を設置し、担当役員を選定する。 ② ライブ教育の開催につき、JGESの共催を得ようとするものは、JGESライブ 教育委員会の定める書式に従い申請書を提出するものとする。 ③ 前項の申請の結果JGESの共催が得られた場合には、当該ライブ教育につき 主催者は、JGES を当該ライブの「共催者］として表示することが出来るもの とする。 但し、ライブ教育の具体的実施は主催者の責任においてなすものとし、JGES は①項の指導・監督に重大な過失がない限りライブ教育中に発生したいかなる 事故についても責任を負わない。 ④ JGES は共催するライブ教育を支援するための予算として、初年度は年間総 額金 300 万円の予算を計上し、JGES ライブ教育委員会は、主催者の提出する 当該ライブ教育申請書を吟味の上、当該予算の範囲内において主催者の行う ライブ教育に助成金を支給することが出来る。 次年度以降の助成金については、前年度のライブ教育の結果を踏まえて JGESの理事会において決定する。 ⑤ JGES 理事会はライブ教育委員会の年次報告を審議し、その審議内容につい て委員長名、理事長名で学会誌ならびに web 上で公表する。また、この審議 を通じて、より適切な開催への条件を整備するとともに、今後さらに必要と 思われる教育効果、教育目標などを定める。なお、審議結果は、今後の共催・ 非共催を決定する際の判断材料とする。 ⑥ JGES はライブに参加した会員に、学会セミナー等に準じた専門医・指導医 の資格申請・更新に必要な単位（出席：5点、司会・演者：3点）を与えると 共に、会員等からのライブに関する意見を広く聴取し、将来のライブに反映 するように努力する。 第３ JGESライブ教育委員会（位置づけと構成） 1. 「JGES ライブ教育委員会」の構成は、担