第5章担保交付指定店舗における担保余裕額の管理-業務上の事務連絡.docVIP

第５章　担保交付指定店舗における担保余裕額の管理 １．総則 担保交付指定店舗は、担保差入金融機関等の所要担保価額合計額、担保価額合計額および担保余裕額を一元的に管理します。このため、担保交付指定店舗は、担保差入金融機関等に属するすべての店舗において行われる担保受払（期日担保返戻を含みます。）および与信取引の予定を把握したうえで、本章３．から６．までに定める担保価額の増減にかかわらず、担保不足とならないよう、担保価額や所要担保価額の管理を厳格に行う必要があります。 万一、担保不足となることが見込まれる場合には、速やかに担保管理店に連絡したうえで、追加的な担保差入等を行ってください。 ２．算出方法 （１）担保残高 担保残高は、担保差入金融機関等が日本銀行に差入れている担保の金額（注）の合計額をいいます。 （注）担保目的物区分が振決国債または振替社債等（短期社債等を除きます。）の場合には額面金額、振替社債等（短期社債等に限ります。）の場合には元本額、邦貨手形（手形類似電子記録債権を除きます。）の場合には手形金額、手形類似電子記録債権の場合は債権金額、手形類似電子記録債権以外の電子記録債権または証書貸付債権の場合には残存元本額、外貨建証書貸付債権の場合は残存元本額（米セント建）、外貨建外国債券の場合は額面金額（外貨建）をいいます。 日本銀行は、次表左欄の担保目的物区分に応じ、次表右欄の担保残高の管理単位を次のとおりとします。 担保目的物区分 担保残高の管理単位 振決国債 銘柄、担保差入金融機関等または国債決済代行者が振決国債を払出した参加者口座の種別、課税?非課税の別毎 振替社債等（短期社債等以外） 銘柄、課税?非課税の別毎 振替社債等（短期社債等） 銘柄毎 邦貨手形、証書貸付債権、 外貨建証書貸付債権 整理番号毎 外貨建外国債券 銘柄毎 （２）担保価額および担保価額合計額 担保価額は、担保残高の管理単位毎に算出した担保の評価額をいい、次表左欄の区分に応じて次表右欄の計算式により算出されます。また、担保差入金融機関等毎の担保価額の合計額を担保価額合計額といいます。 担保価額および担保価額合計額の更新は、担保受払または期日担保返戻に伴って担保残高が更新される都度行われるほか、担保価額の算出に用いる時価、掛目、連動係数、円貨換算率またはファクターの値が更新される時（業務開始時）に行われます。 担保目的物区分 計算式 振決国債 担保価額(円)（注１） ＝ 額面金額(円) × 額面100円当りの時価(円) （注２）／100 ×連動係数（注３）× 掛目 (％) （注４）／100 振替社債等 （短期社債等を除きます。） 担保価額(円)（注１） ＝ 額面金額 (円)×ファクター（注５）× 額面100円当りの時価 (円) （注２）／100× 掛目 (％) （注４）／100 振替社債等 （短期社債等に限ります。） 担保価額(円) （注１） ＝ 元本額(円) × 掛目(％) （注４）／100 外貨建外国債券 担保価額(円)（注１） ＝ 額面金額 (外貨建)× 額面100米ドル／ポンド／ユーロ当りの時価 (外貨建) （注６）／100 × 円貨換算率（注７） × 掛目 (％)（注４）／100 外貨建 証書貸付債権 担保価額(円)（注１）（注８） ＝ 残存元本額 (米セント)×円貨換算率（注７）（円／米ドル）／100 × 掛目 (％)（注４）／100 邦貨手形 （手形類似電子記録債権以外） 担保価額(円) （注１） ＝ 手形金額(円) × 掛目(％) （注４）／100 邦貨手形 （手形類似電子記録債権） 担保価額(円) （注１） ＝ 債権金額(円) × 掛目(％) （注４）／100 証書貸付債権 担保価額(円) （注１） ＝ 残存元本額(円) × 掛目(％) （注４）／100 （注１）円位未満は切捨て。 （注２）時価は、原則として市場相場にもとづき、銘柄毎に設定されます（円位未満第２位まで）。初めて時価が設定される場合には、国債については、原則として発行日（分離国債のときは元利分離前の国債の発行日。以下（注２）において同じです。）の２営業日前の市場相場にもとづき時価が設定され、発行日から４営業日の間、担保価額等の算出に適用します。また、国債以外の債券については、日本銀行が適当と認める日の前営業日の市場相場にもとづき時価が設定され、当該日本銀行が適当と認める日の翌営業日から４営業日の間、担保価額等の算出に適用します。時価が設定されていない債券については、担保差入を行うことはできません。時価は、日本銀行が必要と判断した場合に変更します。 （注３）物価連動国債の場合にのみ適用します。適用する連動係数は、当日の連動係数