工学倫理第14回講義資料.pdfVIP

2016/1/17 第14章 技術者の財産的権利 企業に勤務する技術者には給料が、依頼者から業務 を受ける技術者には報酬がある。技術者は、給料・報 工学倫理 第14回 酬などの収入で、基本的人権をもつ者として健康で文 化的な生活を営むとともに、専門家としての能力をつ ねに更新する努力をする。収入はそのようにして消費 されるほか、収入の一部によって経済的な財産が形成 教科書：技術者の倫理入門 第四版 される。市民としての生活にも、技術者としての生活 杉本泰治杉本泰治，高城重厚高城重厚 著著 にも、財産は生活を安定させる大切な要素である。技 術者の財産的権利といえば、真っ先に特許権が挙がる。 第14章 技術者の財産的権利 しかし、もっと視野を広げよう。 14.1 企業財産の持ち出し 第15章 技術者の国際関係 14.2 特許権収入 14.3 起業の自由ー会社法制 工学倫理 第１４回 1 14.4 まとめ 工学倫理 第１４回 2 14.1 企業財産の持ち出し-1 • ナイロンの発明者の物語(1983年2月10 日日経のコラム) 14.1 企業財産の持ち出し-2 カロザース：ナイロンを発明した天才化学者 新潟鉄工資料持ち出し事件 勤務先のデュポン社の待遇 1980年頃 ＣＡＤソフトを １セット約1億円で販売 海外旅行や飲食費など、会社が全て持つという約束。 1981年秋 ノウハウの流出を恐れて外販停止 カロザースの能力を非常に高く評価。 仲井部長代理ら4人が、外販停止方針に抵抗。 機嫌を損ねないように、引き抜かれないようにした。 外販による他流試合により技術が向上⇒却下 技術者の専門的能力が稼ぎ出す価値の大きさを示す。 不満満⇒ＣＡＤソフトのシステム設計書を持出設計書を持出 し ＣＡＤは、仲井らが約10年をかけて作り上げたもの。 技術者 労働力⇒企業に提供 1983年2月 元技術幹部らが業務上横領で逮捕 企業から⇒給与などを受け取る 多額の会社資金を使った技術開発の成果＝ＣＡＤ 余剰価値の高い技術者⇒企業の所得となる 技