国内新车贩売统计2018年2月-浜银総合研究所.PDF

浜銀総合研究所 調査部 2018年３月１日 調 査 速 報 国内新車販売統計（2018年２月） 主任研究員 米国向け中心に輸出が失速。国内新車販売も芳しく 深尾 三四郎 ０４５－２２５－２３７５ ない。減産リスクあり、新年度は楽観できない状況。 fukao@yokohama-ri.co.jp 要 約  ２月の国内販売台数（季調値）は増加したが、足元の新車需要は前年を下回る水準で勢いに欠ける。  米国向け中心に新車乗用車輸出が失速。海外新車需要に下振れリスク残り、先行きは楽観できない。  乗用車在庫に過剰感あり。内外需の減速リスクがあり、追加減産の必要性がある。 １．18年２月国内新車販売台数は季節調整済年率換算値で516万台と２か月連続で17年実績を下回る ３月１日発表の2018年２月の国内新車販売台数（登録車＋軽自動車、貨物車含む）は前年同月比2.2％ 減と５か月連続前年割れしたが、季調済年率換算値(X-12-ARIMA にて当社試算、以下 SAAR)でみた２月 の販売台数は前月比1.9％増の516万台と増加した（図表１）。１月に続き２月のSAAR も17暦年実績523万 台を下回っており、足元の国内新車販売は弱含みで推移している。 18年前半の新車市場の先行きは楽観できない。買い替え需要の発生が今後販売を盛り上げると期待する ことが難しいからだ。１月の車検更新車両台数のSAAR は前月比で大きく減少し、３か月移動平均値でみ るトレンドは減少基調に転じている（図表２）。過去の SAAR 実績から試算した車検の理論値は年度末に 向けて減速が続く見通しである（図表３）。 新車販売台数の内訳をみると、２月の登録乗用車の販売台数（SAAR）は前月比5.5％減の286万台と、失 速した１月から多少持ち直した （図表４）。一方、軽乗用車の SAAR は同5.0％減の142万台と減少した （図 表５）。軽乗用車と軽商用車を合わせた軽自動車販売台数の SAAR は同4.3％減の184万台と減少した（図 表６）。貨物車（普通＋小型トラック）販売台数の２月の SAAR は同2.6％増の43.3万台と増加し（図表 ７）、３か月後方移動平均値でみたトレンドも増加基調が続いている。17 年９月の排ガス規制強化で、そ の後数か月は８月の駆け込み需要の反動もあり、全需は落ち込んでいたが、その反動減は解消しつつある。 １月の乗用車輸出台数（軽乗用車と中古車を除く）は前年同月比 5.2％増と３か月連続の増加となった が、SAAR は前月比18.2％減の378万台と大幅に減少した。中国以外の主要仕向け地先への輸出が押し並 べて減少し、中でも米国向けの輸出は大きく失速した。輸出先主要市場における新車需要の見通しは楽観 できない状況であり、引き続き、新車輸出に対しては下方圧力がかかると予想する。 鉱工業指数を見ると、輸出の大幅減 図表１ ２月国内新車販売（SAAR）は増加 に引っ張られる形で減産が行われた 新車販売台数(登録車+軽自動車、貨物車含む) 季調済、千台 前年同月比、％ が、乗用車生産は「在庫積み上がり局 7,000