上场制度整备恳谈会中间报告.pdfVIP

上場制度整備懇談会中間報告 平成１９年３月２７日 株式会社東京証券取引所 上 場 制 度 整 備 懇 談 会 目 次 Ⅰ はじめに 2 Ⅱ 議事経過 2 Ⅲ 上場制度の整備に向けた基本方針 3 Ⅳ 制度整備の方向性 3 １ 企業行動に関する制度の整備 3 （１）適時開示のあり方 3 （２）企業行動に関する行為規範の制定 6 （３）子会社上場制度のあり方 15 （４）種類株式の上場制度 17 ２ 市場制度の整備 25 （１）市場区分のあり方 25 （２）新興市場のあり方 26 （３）売買単位の集約 28 （４）流動性等に係る基準の見直し 29 ３ 上場諸規則の実効性確保 31 Ⅴ 今後の進め方 33 委員名簿 34 審議経過 35 - 1 - Ⅰ はじめに 近年、社会における資本市場の重要性は飛躍的に増大を続けており、企業の 自由な経済活動を尊重しつつ、資本市場の機能を十分に発揮させて、市場の公 正性と健全性を確保することは、市場の運営者である東京証券取引所（以下「東 証」という。）に期待されるきわめて重要な役割である。この点で、昨今、企業 会計等に係る不祥事や流通市場を混乱させるような企業行動など、株主・投資 者に不測の損害をもたらして市場の信頼を著しく傷つけるような事象が度々発 生しており、投資者保護の充実や流通市場の機能の適切な発揮の観点から、資 本市場における規律の強化が求められる状況にある。また、東証を投資者や上 場会社らの市場関係者にとってより魅力的なものとし、東証の国際的な競争力 を高めることは、ひいては日本の資本市場の活性化にも資するものである。 東証は、昨年６月に、これらの目的を達成するための実行方針として「上場 制度総合整備プログラム」を公表したが、本懇談会は、このプログラムの中で 「具体案の策定に向け問題点の整理を行う事項」及び「検討に着手する事項」 としてとりあげられた内容の中から、特に優先度の高いと考えられる事項を中 心に議論を進め、今後具体化するに当たっての方向性を、中間報告として以下 にとりまとめた。 本懇談会は、本中間報告の内容を踏まえ、東証として上場制度総合整備プロ グラムを見直し、速やかに上場制度の一層の改善に努めることを期待する。 なお、国内の他の証券取引所の上場制度との関係について付言すると、各証 券取引所の上場制度のあり方は、その特徴や運営の方針の違いなどに応じて多 様であり、当然ながら、国内の他の証券取引所は本中間報告にかかわらず独自 に上場制度の整備・充実に取り組むことが期待される。他方で、市場の基礎的 なインフラとして横断的な制度の整備が求められる場合もあるため、国内の他 の証券取引所との連携が必要な事項については、その旨を特に明記することと した。 Ⅱ 議事経過 本懇談会は昨年９月１１日に第１回を開催した後計９回開催し、上場制度整 備に向けた基本方針、企業行動に関する制度の整備（適時開示のあり方、企業 行動に関する行為規範の制定、子会社上場制度のあり方、種類株式の上場制度）、 市場制度の整備（市場区分のあり方、新興市場のあり方、売買単位の集約、流 動性等に係る基準の見直し）、上場諸規則の実効性確保の各テーマについて議論 をした。 なお、特に優先度の高いと考えられるものを中心に議論を整理した関係で、 - 2 - 上場制度総合整備プログラムに掲げるすべての事項について検討が完了したも のではなく、また今後新たに検討すべき課題が出てくることも考えられるため、 今回のとりまとめは中間報告と位置付けることとした。 Ⅲ 上場制度の整備に向けた基本方針 東証は、株主・投資者の保護及び尊重を図りつつ、流通市場の機能を適切に 発揮させ、上場会社の企