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東北地方沿岸における 養殖施設等損傷海難の分析 (大船渡港の養殖施設) 養殖施設等の設置海域の航行は， 船位確認と水路調査！！ 平成２０年９月 仙台地方海難審判庁 目 次 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・１ １ 発生状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・２ ① 発生場所の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・２ ② 船種別発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・３ ③ 養殖施設等の標識の設置状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・３ ④ 月別発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・４ ⑤ 時間帯別発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・４ ⑥ 損傷施設の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・５ ２ 発生に至る状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６ ① 乗組員数及び見張員の配置状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・６ ② レーダー等の使用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・７ ③ 乗り入れ時の操舵状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・７ ④ 乗り入れ時の速力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・８ ⑤ 乗り入れ時の風力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・８ ３ 海難の原因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・９ ４ 大船渡港における発生状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ① 大船渡港 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ② 発生状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 ③ 乗り入れ時の速力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 ④ 海難の原因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 ５ 裁決事例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 事例１ 前方の漁船の灯火に気を取られ見張り不十分となって乗り入れ・・・・14 事例２ レーダーによる船位確認をしないまま進行し乗り入れ・・・・・・・・15 事例３ 初めての入港で水路調査を十分にしないまま進行し乗り入れ・・・・・16 ６ まとめ及び提言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 はじめに 仙台地方海難審判庁は，東北６県及び新潟県の沿岸・沖合（以下「東北地方沿岸」と いう。）を管轄区域とし，その区域において発生した海難の原因を裁決によって明らか にし，海難の再発防止を図っています。 当庁の管轄区域のなかでも，特に，三陸海岸，仙台湾は，恵まれた自然の地形を利用 した，養殖，定置網等による漁業が盛んです。 一方，航行する船舶が養殖施設等に乗り入れ，それらを損傷する海難も発生している ことから，今回は，養殖施設等損傷海難にスポットを当て，管轄区域内で発生し，平成 ７年から同１９年にかけて裁決のあった５６件について分析し，再発防止に向けた提言 を行うこととしました。 この分析が，船舶運航関係者及び漁業関係者等の海難防止に対する理解を深めるとと もに，同種海難の再発防止と安全運航の一助となれば幸いです。 １ １ 発生状況 ① 発生場所の状況 平成７年から平成１９年に裁決のあった養殖施設等損傷海難５６件の発生場所は下 記のとおりで，ほとんどが太平洋沿岸で発生しており，なかでも大船渡港，次いで宮 城県沿岸で多く発生している。 ×貨物船 ×漁船 ×油送船