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農林 畜産業 BOP実態調査レポート ケニアは、紅茶、コーヒー、園芸作物等で世界に知られる農業 国であるが、国内ほとんどの地域の農業・畜産は大部分が小規 模農家によるものである。 世界銀行の報告によると、2011年 の名目GDPは、340.6億ドルで、一人当たりの名目GDPは833ド ルであった。このうち農業は約24％を占めている。 世界農業者機構（WFO）の報告によると、耕作に適しているの はケニアの総面積の48％のみ（半年、一年、多年生作物の栽 培地、放牧地、さらに家畜を飼育できる半乾燥地・乾燥地を含 む）である。ケニア中央部から北南部にかけての高地や地溝帯 の大部分が、一大栽培地域となっている。 主な作物と家畜 一般的な作物には、トウモロコシ、豆、小麦、米の他に、バナナ、サツマイモ、ジャガイモがある。他に、サトウ キビ、綿、サイザル麻、果物の栽培も行われている。家畜は、ほとんどが乳牛や採卵用・食用の家禽である。コ ブウシ等の牛、ヒツジ、ヤギなどは在来品種が飼育されている。ラクダやロバも運搬用に飼われている。 これは食肉用になるラクダ。 自ら国道沿いを歩き、ナイロビに向かう。 Copy rights(C) 2013 JETRO. All rights reserved. 農林畜産業 BOP実態調査レポート 農業 ■耕作面積 農地は各世帯で所有しており、統計によると世帯当たりの土地面積は1〜2.5ヘクタールとなっている。しかし高地 など人口が密集している農業地帯では、世帯当たりの平均土地面積は1ヘクタール未満である。飼育が行われて いる半乾燥地・乾燥地では、個人の所有地はなく、土地は地域社会所有であり、その地域の者なら皆、その土地の どこにでも放牧することができる。 ■食糧自給率 天候が良好な年には、小麦、砂糖、米、食用油を除いたほとんどの食料需要は国内の農業生産で満たしている が、毎日の平均カロリー摂取量は推奨値である2,100 kcalを満たしていない。これは、生産レベルが国内で必要と されるレベルに達していないことを意味している。ケニアでは、農村世帯で消費される食料の30％が購入したもの で、70％が自給である。一方、都市部では消費される食料の98％が購入したもので、2％が自給となっている。現 在、穀物消費の約30％が輸入によるものである。 ■灌漑計画 大部分の農家は、耕作を降雨や年間降雨パターンに頼っている。十分な降雨のない地域が多いため、耕作に影 響が出ないよう、灌漑が重要な役割を果たしている。個々の農家や協同組合は、政府その他の出資者の援助を受 2 け、各地で灌漑を行い、全体で約1,100 km に達している。現在行われている灌漑事業は次のとおりである。 事業 地域 水源 規模 栽培作物 タマネギ、乾燥チリ、スイカ、 ペルケラ リフトバレー ペルケラ川 3,000 ha パパイヤ ムウェア・テベレ ニャミンディ川、 13,000 ha ケニア中央部 米 （Mwea Tebere） ティバ川 （6,400 ha開発済み） 綿、トウモ