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LAAN-A-XR043 No.X243 XRDによる炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定 [JIS R7651:2007] X- ray Diffraction Analysis of Lattice Parameters and Crystallite Sizes of Carbon Materials [JIS R7651:2007] 人造黒鉛は，リチウムイオン電池の負極材などに使用さ 格子定数および結晶子の大きさを求めた例について紹介し れている重要な物質です。人造黒鉛の結晶の格子定数と平 ます。この解析には，炭素構造解析ソフトウェアCarbon 均結晶子サイズを管理する方法として，X線回折による測 Analyzer GR（販売元（株）菱化システム）を用いました。ま 定があります。2007年にはJIS規格［JIS R7651:2007］「炭 た，同じ材料のラマンスペクトルを測定し，Gバンドに対す 素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法」が制定さ るDバンドの強度比であるＲ値を求めましたので合わせてご れています。そこで今回は，本規格に沿ってX線回折デー 紹介します。 タを測定，解析し，人造黒鉛の結晶構造パラメータである R. Ogawa S. Takeuchi ■試料と前処理 ■X線回折のピークプロファイル Samples and Analytical Conditions Peak Profiles of Samples 温度条件を変えて熱処理を行ったコークス由来粉末炭素 サンプルM-1～M-3の回折ピークプロファイルの重ねあわ 材料3種類それぞれに対し，Carbon Analyzer専用標準粉 せをFig. 1に示します。25.5度付近～26.5度付近にはC（002） 末シリコン（販売元大阪薬研（株））を均一に混合し，X線 回折線，28.4度には炭素の回折線の補正を行う際に標準と 回折測定用試料としました。混合比は測定試料に対して して用いるSi（111）回折線が見られます。カードデータにお Carbon Analyzer専用標準粉末シリコンの質量分率を20 ％ けるグラファイトの002回折角度（ICDD粉末回折データベー としました。熱処理の温度条件をTable 1に示します。なお， スNo.00-26-1077）2θ=26.6°に対し，熱処理温度が低いと 測定用試料は，試料窓の大きさが15 mm×20 mm，深さ C（002）回折角度が低角側にシフトしていますが，熱処理 0.2 mmのガラス製試料ホルダに均一に充填しました。θ-2θ 温度が高くなると回折角