小学校における英語活動の研究.PDFVIP

小学校における英語活動の研究 －小学校「早期英語教育」推進事業を通して－ 指導主事 野 瀬 範 裕 NorihiroNose 要 旨 小学校段階における英語教育の目標は、児童の発達段階に応じたコミュニケーション スキルの取得、及び積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成である。高 度に情報化され、国際化した社会の中で、人との交わりに必要な共生のための基本的態 度や国際感覚のあるコミュニケーション能力をもった子どもを育てることが重要である。 キーワード： コミュニケーション、早期英語教育 １ はじめに 平成14年から始まった「総合的な学習の時間」における「国際理解教育」の一環として「外国語 会話など」が行われるようになったことに伴い、全国の多くの小学校で英語活動が取り組まれるよ うになった。奈良県では平成16年度より研究モデル校10校で、小学校１年生、２年生を対象とした 小学校「早期英語教育」推進事業をスタートさせた。平成18年度には30校の研究モデル校により早 期英語教育に関する実践的な研究を行っている。 ２ 研究目的 小学校段階における英語教育の意義と可能性を本県の小学校「早期英語教育」推進事業の成果と 課題を通して考察する。また、子どもたちにとって意義のある、効果的な英語活動の在り方を探る。 ３ 研究方法 (1) 小学校「早期英語教育」推進事業における各校の取組 (2) 「早期英語教育」研究モデル校において実施した児童の意識調査（アンケート） (3) 「早期英語教育」研究モデル校における研究発表会 (4) 「早期英語教育」研究モデル校以外の小学校における研究授業及び研究協議を通しての考察 ４ 研究内容 (1) 小学校英語活動の取組の状況 表１ 全国で取り組まれている英語活動の状況（全国で93.6％の小学校で取組） 第１学年 第２学年 第３学年 第４学年 第５学年 第６学年 75.1％ 76.1％ 86.6％ 87.3％ 88.5％ 90.3％ 文科省小学校英語活動状況調査（平成17年度） - 1 - 実施時間については表２のとおり、学校間でかなりばらつきが見られる。 表２ 実施学年および時間 第１学年 第２学年 第３学年 第４学年 第５学年 第６学年 １～ ３時間 ５０校 ４９校 ３６校 ３０校 ３６校 ３８校 ４～１１時間 ４１校 ４３校 ５３校 ５８校 ５４校 ５８校 １２～２２時間 ２２校 ２３校 ２４校 ２５校 ３０校 ２８校 ２３～３５時間 ５校 ４校 １３校 １２校 ９校 １１校 ３６～７０時間 １校 １校 ４校 ３校 ３校 ３校 ７１時間以上 ０校 ０校 ０校 ０校 １校 １校 計 １１９校 １２０校 １３０校 １２８校 １３３校 １３９校 奈良県小学校英語活動状況調査票より（平成17年度） (2) 小学校１、２年生を対象とした「早期英語教育」の実施率について 小学校３年生以上については、平成14年から始まった「総合的な学習の時間」おける「国際理