1999年6月2日.docVIP

～工事に係る各種保険に関するＱ＆Ａ集～ 保険関連の実務は、なじみが薄く分かり難いため、典型的な質問についてＱ＆Ａの形に纏めましたので、参考にして下さい。 ◇工事着工前～着工時段階◇ 【Q】保険はいつから付保すれば良いですか？ 工事保険（建設工事保険、土木工事保険、組立保険）は、原則として、対象工事の着手時（工事現場において最初に保険の目的の荷卸が完了したときなど）を始期として付保して下さい。『請負賠償責任保険』については、対象工事の敷地内に仮囲いなどを設置する段階から付保しておくことをお勧めします。 【Q】請負金額が定まっていないのですが、保険は付保出来ますか？ 概算の金額で付保することは可能です。確定した段階にて、弊社担当者へ速やかに請負契約書を提出し、過不足を調整して下さい。確定請負金額が、概算の金額より低い場合には、保険料は返戻します。 【Q】建築物の場合、基礎部分の工事は、付保しなくても良いの？ 保険契約引受上、基礎工事を除外して付保することは可能です。しかし、過去の事故事例において基礎部分における事故も生じております。また基礎工事中に敷鉄板が盗難された場合や、仮設事務所の火災が生じた場合などは、保険未付保状態である場合、当然保険対応が出来ませんので十分注意下さい。 【Q】リニューアル工事において、請負賠償責任保険のてん補限度額（保険金額）はどの程度に設定すれば良いのですか？ 現場の状況を把握し、施主（テナント業者等）からの情報を得て、最大限の賠償リスクを考慮し設定してください。特に居ながらにおけるリニューアル工事の場合は、特に慎重にてん補限度額（保険金額）を設定することが重要です。 【Q】分離発注ですが、どのような問題点がありますか？ 分離発注業者は、全て第三者の扱いとなる為、分離発注業者の身体?財物（出来高）への損害は、『請負賠償責任保険』で対応する事となります。特に対物賠償額の設定を慎重にしなければなりません。また分離発注業者が必要十分な保険に加入しているか確認する事も大事です。 【Q】工事保険を申込みの際に、解体工事費、出精値引、設計費、支給材金額の取扱はどうするの？ 工事保険については、解体（撤去）工事費は除外して加入することが可能ですが、出精値引、設計費、支給材金額に関しては除外する事はできません。 ★出精値引の取り扱い 建設業界の商慣習として、請負工事においては、積算によって得られた工事費合計額から値引を行い（出精値引）、その後の金額を請負金額とすることがあります。このような場合、保険金額は本来あるべき請負金額（出精値引前の金額）とすべきであり、出精値引後の金額により保険金額を設定した場合には、保険金が出精値引の割合に応じて削減されるため、十分な補償が得られません。十分な補償を得るためには、請負金額に出精値引を加算して保険金額とすることが必要です。 ★支給材の取り扱い 支給材料の金額が保険金額に参入されていない場合は、その金額を加算して保険金額とします。建築工事においては、発注者から工事用材料もしくは工事用仮設材などが支給または貸与されることがあります。この場合には、完成価格は請負金額を超過するので請負金額にこれら支給資材などの金額を加算して保険金額とします。つまりこの支給資材などを加算して保険金額にしていない場合に、それらに事故が生じた場合は、補償の対象とはならないので注意が必要です。 【Q】工事保険を発注者が自ら付保するといわれましたが、注意点は？ 工事現場において、事故発生時の適切な処理が重要であるため、専門知識?経験が豊富な、弊社を幹事代理店となるように先方と折衝してください。なお、弊社扱いの保険契約は、鹿島独自の特約が付帯しておりますが、発注者付保の場合には適用されない為、『工事保険』『請負賠償保険』に関して補償内容が十分か否かを確認することが重要です。 【Q】サービス工事や瑕疵補修工事中の保険はどうなっていますか？（東京建築支店） サービス?瑕疵補修工事（建築工事対象）を施工する際の、『請負賠償責任保険』を東京建築支店にて包括契約しております。保険内容については、下記のとおりですが、詳細は、弊社担当者に確認して下さい。引受保険会社は、『三井住友海上火災保険㈱』です。 ■対人賠償　＝　1名；1億円　／　1事故；1億円（免責1事故；5万円） ■対物賠償　＝　1事故（免責1事故；5万円） 【Q】雑件工事の保険はどうすれば良いのか？支店で包括契約をしているの？（東京建築支店） はい。建築工事（土木は対象外）を対象とする『請負賠償責任保険』を東京建築支店にて包括契約をしております。保険内容は、下記のとおりです