サルV4野の色选択性细胞はクラスターを形成している .docVIP

サルV4野皮質局所における色選択性細胞の空間配置 Clustering of color-selective neurons in macaque area V4: analysis with multiple single-unit recordings 小竹康代 PY 1 、森本広志1 、田村弘1 ,2 、藤田一郎1 ,2 Yasuyo Kotake PY , Hiroshi Morimoto, Hiroshi Tamura and Ichiro Fujita 1 大阪大学大学院生命機能研究科認知脳科学研究室 2 CREST, JST / 科学技術振興機構 E-mail: ykotake@bpe.es.osaka-u.ac.jp Abstract We investigated similarity in color preference between nearby neurons in monkey area V4 with multiple single-unit recording techniques. Adjacent neurons tended to have similar responses to a set of 27 color stimuli. However, some recording sites contained neurons preferring different colors. We propose two different models to account for the results. Keywords- vision, cortex, color, electrophysiology, 1. はじめに 　大脳皮質の様々な領野では似た性質を持つ細胞が局所に集まり、機能モジュール構造を形成している。サル大脳皮質視覚連合野V4野では、同じ色に反応する細胞が局所に集合し、最適色に基づいたモジュール構造を形成するという報告がある一方、そのような構造はないとする報告もある [1, 2]。これらの相対する報告は、各細胞の色に対する反応を定性的に解析していたことに起因すると考えられる。そこで本研究では、サルV4野における色モジュール構造の有無を定量的手法を用いて再検討した。 2. 実験方法 　実験には、麻酔不動化した２頭のニホンザル（Macaca fuscata）を使用した（体重：5.2 kg、6.0 kg）。一つの記録点において数個から十数個の細胞活動を同時に記録できる多芯電極を用いて、隣接する細胞の色刺激セットに対する応答を計測した。 2-1. 色刺激セット 　視覚刺激には等輝度（33 cd/m2）の27色を用い、ある色と背景が一定の周期で変化するDrifting square wave grating、またはある色と背景が時間と共に更新されるDynamic random dotsとして、黒背景（0 cd/m2）に呈示した。それぞれの刺激はランダムな順序で、細胞群の受容野を覆うように10回呈示した。　 2-2. 多芯電極を用いた計測と単一細胞活動の単離 　先端に電気的に独立した４つの記録点を持つ多芯電極を用いて、半径150μmの範囲に含まれる複数細胞に由来する細胞外電位を記録した。計測後、振幅値に基づくスパイクの分類を行い、単一細胞活動を単離した [3]。 3. 結果 　V4野の35点から記録を行なった（サルN、20点；サルA、15点）。サルNは計測終了後灌流固定し、記録範囲の外側に埋め込んだピンの位置から、電極刺入位置がV4野であると確認した。サルAは実験継続中であるため、記録点に含まれる細胞群について、中心窩からの偏心度と受容野の大きさを過去の知見と照合し、電極刺入路がV4野であると推定した。一つの記録点で3細胞以上記録できた31点（サルＮ、17点；サルＡ、14点）を解析対象とした。 3-1. V4野隣接細胞の色識別能力の類似度 視覚応答を示した全196細胞中、異なった色刺激に対して有意に応答強度を変化させた細胞は151個（77 %；色選択性細胞； p 0.05, Kruskal-Wallis test）であった。図1に示した２つの色選択性細胞は、赤色に強く反応した。 色選択性の強さを定量的に評価するためにColor Discrimination Index（CDI）を考案した。CDIは、Disparity discrimination index [4]と同様に細胞の最大応答と最小応答の差を試行間変動に対して定量化した指標である。CDIの定義を以下に示す。 RmaxとRminは、最大応答と最小応答の平方根を表す。RMSerrorは平均試行間変動の平方根を表す。