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プログラム２ 司会者のための会議の技法 １ 会議を成功させるの５つの基本ルール 住民相互でさまざまな会議や話し合いをすることは、地域づくりの基本です。住民 主体の地域づくりが進めば進むほど、会議や話し合いの回数は増えますから、上手な 会の運営が求められます。しかしこれまで、会議や話し合いがうまくいくためにはど うすればいいか、考えてみる機会はあまりなかったのではないでしょうか。 現代の地域社会はさまざまな人がおり、さまざまな考え方があります。時間にゆと りのある人もいれば、とても忙しい人もいます。会議の時間の調整をするだけでも大 変な場合があります。このような現代の地域社会で、誰もが参加してよかったと思え る会議にしたいものです。 会議がうまくいくためには、一定のルールがあることを理解しましょう。ここでは ５つのルールにまとめました。うまくいかない会議は、これらのルールのどれかが守 られていないことが多く、５つのルールは原則として全て守られる必要があります。 会議は司会者と、その他の参加者で構成されます。会議を成功させるには、どちら もが協力し合わなければなりませんが、下記の一覧表をみると、とりわけ司会者の役 割の大きさがわかります。司会者のスキルアップは、人権が尊重される住民主体の地 域づくりのために、非常に重要です。 段階 ５つの基本ルール 責任者 司会者 発言者 最初 １ 会議の目的と到達目標を明確にする。 ○ 会議の最初には、必ず、会議の目的と到達目標を司会者は説明します。 これによって参加者全員が会議の目標を共有でき、議論が締まります。 ２ 会議の終了時間を明確にする。 ○ 終了時間を明確にすることで、誰もにとって大切な時間を有効に使い、 重要なことを重点的に議論する、メリハリのある運営ができます。 途中 ３ みんなが話し合いに参加する。 ○ ○ 会議は意見を出し合うためにあります。参加者は会議で発言するよう 努め、司会者は参加者が話しやすい雰囲気にする努力が必要です。 最後 ４ 話し合いの結論を確認する。 ○ 会議終了時には、司会者は話し合いの結論を確認することが大切です。 これによって、参加者の誤解を防ぎ、全員で結論を共有できます。 ５ 終了時間を守る。 ○ ○ 最初に確認した終了時間は全員が守らなければなりません。どうして もオーバーする場合は、参加者の同意を得る必要があります。 15 ２ 司会の技法～みんなの意見をうまく引き出すために （１）みんなの意見をうまく引き出すことがなぜ大切か これまで、様々な話し合いの場で、結論が既に予定されていて、それに反する発言 はしづらい空気だったり、あるいは、反論があるにも関わらず多数決などによって強 引に結論がまとめられて押し付けられたり、といった経験はありませんか？ そうした結論ありきの話し合いは、人権文化を基礎に置いた地域づくりを進めてい く上では、決して望ましいものではありません。 人権文化を基礎に置くということは、一人ひとりの考え方 ・意見を尊重し、それぞ れの発言の中から、みんなで、結論を練り上げていくことが求められます。あらかじ め用意されていた結論に誘導していくような従来型の進行役であっては、むしろ有害 ですらあります。 外からの圧力では、人は本当には変わりません。