口腔領域感染症に対するRU 28965 錠の使用成績.pdfVIP

648 CHEMOTHERAPY SEPT.1968 口腔 領 域 感 染 症 に対 す るRU28965錠 の使 用 成 績 宮 田秀美 ・金井 敏彦 ・笹尾吉伸 ・土 田和彦 小 関英邦 ・工藤 泰一 ・成 田令博 ・内 田安信 東京医科大学口腔外科学教室 新 しいマクロライ ド系抗生物質RU28965を口腔領域 における急性歯性感染症18症例 に使用 し,投 薬違反,3日 目評点比判定不能の症例8例 を除 く10例について臨床 的検討 を行い,次の ような結果 を 得 た。 なお患者年齢 は22～70歳で,男性3例,女 性7例 である。 投与方法は1日 量300mgを2分服,朝 ・夕食30分前 に服用 させ,4～6日間投与 した。臨床効果の 判定 は歯科口腔外科領域における効果判定基準に従い。点数法によ り行 った。 使用成績 は3日 目評点比0.7以下は第I群,歯 周組織炎で8例 中7例,第II群,歯冠周 囲炎で2例 中1例であ り,全体 としての有効率 は80.0%であった。菌は10例中3例 に検 出された好気性菌2株, 嫌気性菌3株 で,すべて本剤に感受性 を示 した。全例において副作用は認められ なかった。 以上の臨床検討か ら,本剤 は口腔外科領域 の急性感染症 に有用である と考 えられた。 私達 は,この度新 しく開発 された14員環マ クロライ ド 性結果や副作用の有無などか ら,総合的に有用性の判定 系製剤RU28965錠を口腔領域 における歯性感染症 に対 を行 った。 して使用す る機会 を得,そ の結果,有用 な成績 を得 たの 症状採 点に よる判定 は,投与3日 目点数1投与開始 日 で報告す る。使用 した薬剤 は,1錠 中にRU28965を 点数の比か ら求め,0.3以下 を著効,0.3～0.7を有効, 150mg(力価)含有する白色楕円形型の錠剤である。 0.7以上 を無効 とした。 主治医による判定 は,著効,有効,や や有効,無効の 1.対 象 疾 患 4段階 とし,有用性 については,非常に満足,満足,ま 使用対象症例は昭和61年6月より8月までの3ヵ 月間 ず まず満足,不満,非 常に不満の5段階で評価 した。な に,東京医科大学病院口腔外科 を訪れた急性歯性感染症 お,必要に応 じて血液化学な らびに尿検査 を行い参考に 18例で,急性歯周組織炎13例,急性歯冠周囲炎2例,急 した。 性顎炎2例,顎 下腺炎1例 である。年齢 は22～70歳で, 細菌学的検査 は.他菌の混入 を避けるため閉塞膿瘍 よ 平均43.4歳,男性6例,女 性12例である(Table1)。な りのみ とし,無菌注射器で穿刺採取 した膿汁を対象 とし お,妊 婦,授乳婦、重篤疾患患者な ど,主治医が不適 当 た。採取膿汁はTCSポー ターで培養後,菌 の同定なら と判断 した患者 は除外 した。 びに各種抗生剤に対する感受性試験 を行 った。 II.用量ならびに用法 V.臨 床 成 績 投与量は原則 として成人1日300mg(力価)とし,2分 症例 ならびに臨床使用成績 はTable2に示す。なおこ 服 させ たが,本剤は食事 に影響 されることか ら,服用時 の うち,3日 目評点比判定で判定可能な10例について臨 間は食事30分前 を厳守 させた。投与期間は4～6日間,平 床的検討 を行 った(Table3,4)。 均5.2日間であった。 また,本剤 の薬効判定 に障害 とな 使用量は1日300mg,4-6日間,計