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北海道における合宿誘致と地域活性化の現状調査 平成１４年３月 日本政策投資銀行　北海道支店 http://www.hokkaido.dbj.go.jp/ 北海道における合宿誘致と地域活性化の現状調査 はじめに 　北海道における集客交流事業の代表的なものとしては 「観光」「コンベンション誘致」「合宿誘致」がある。 そのなかで、経済効果のみならず、地域の誇りや結束を強めるという非経済的な効果も期待される「合宿誘 致」はユニークな施策であり、道内自治体の半数近くが実施している。 　しかし、その経済規模の大きさもあり比較的データの多い 「観光」、都市圏向きであり外国における事例も 多い「コンベンション誘致」に比べて、「合宿誘致」に関しては豊富な情報があると言い難いものがある。マ クロデータについては北海道庁の調査があり、成功例については新聞等で断片的に紹介されることはあるが、 具体的にどのように事業を展開すべきか、始めるに当たって何が必要かといったことを判断するための基礎 的なデータは余り十分でない。顧客である実業団や大学からのデータを集めにくいこともあるが、それぞれ の自治体の誘致事業の実態についても、経済系の機関・団体が取り上げることが少なかったように思う。 　このレポートでは、合宿のサービス提供側（各地域）と需要側（合宿を実際に行うチーム）のそれぞれに アンケート調査を実施した。前者では「合宿誘致」を行う目的から問題点等について調査することで、各地 域の「合宿誘致」に対する考え方を整理し、後者では、合宿に関する基礎的な情報や現在の合宿地への満足 度、北海道合宿のイメージ等について調査することで、利用者の合宿地に対する考え方を整理した。このレ ポートは、両者のデータを対比することで、各地域で「合宿誘致」事業を展開していくためのポイントを出 来る限り明確にし、各地域がどのような形で「合宿誘致」事業を展開すべきかということを再考するための 基礎的なデータを提示することを目的としている。合わせて道内の成功事例等を紹介したが、それによって 提示したデータの理解を深めて頂ければ幸いと考えている。 　このレポートは、道内２１２市町村の全てに「合宿誘致」を勧めるものではない。第Ⅲ部でも述べている が、地域活性化策にはいろいろな方法があり、全ての地域に同様に効果がある方法というものは基本的には ないと考えるべきであろう。必要なことは、他の地域の方法を形式的に真似することではなく、個別の地域・ 自治体がその地域の特性を考えながら、自らの地域の中で出来ることを主体的に積み上げる地道な取り組み である。このレポートで紹介する事例もその表面的な方法を真似してもらうためのものではなく、その背景 にあるものの考え方を紹介するために掲載しているものである。場合によっては「合宿誘致」以外の地域活 性化策を検討する市町村の参考になるようなものもあるのではないかと考えている。 　最後に、このレポートを作成するに当たり、アンケート調査等をお引き受けいただき、様々な意見を頂い た自治体担当者の皆様、スポーツチームの皆様に深く感謝したい。また、このレポートを読まれた方から建 設的なご意見・ご批判をいただければ幸いと考えている。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１４年３月 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【担当：日本政策投資銀行北海道支店企画調査課　杉浦克実】 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 メールアドレス：ktsugiu@dbj.go.jp 北海道における合宿誘致と地域活性化の現状調査 北海道における合宿誘致と地域活性化の現状調査 目　　次 はじめに　……………………………………………………………………………………… 1 Ⅰ 求められる地域の自立と北海道の取り組み　……………………………………………… 5 　第１節　求められる地域の自立　………………