耐热老化试験-J-Stage.PDFVIP

連載講座 ・試験機器か らみた試験方法 (14) 耐 熱 老 化 試 験 佐 々 木 康* 左 に掲 げた四つの試験方法 の うち,比較的簡単な装置 1. は じ め に でかつ多量の試験 を同時に行 えるな どの理 由か ら,最 も 試験方法 シ リーズの中の耐熱老化試験についての取 り 普及度 の高い試験方法 といえるが,それ故 にまた機差, ま とめを編集委員会 よ り依頼 された.耐 熱老化試験に限 異種材料 の同時試験 に よる相互 コンタミな ど問題 点 も多 った ことではないが,試験 は実際に使用 され る条件に近 い. い形 で行 われ るのが望ま しく,ゴム製品の実使用下での JISK6301-1975の6.3におおむね次の ように定め ら 寿命 を推定す るのに役立つ ものがよい.こ の よ うな試験 れている.ギ ャー式老化試験機又は これに準 じた装置 を 方法 については,各 製 品,各 使用条件別 にい ろい ろあ 用いそ う内空気は1時 間に1回 以上の割合で入れ代 り, り,ここでその各 々について述べ ることは不 可 能 に近 そ う内各部 の温度の許容差は,そ う内中央部の温度 に対 い.し たがってこの稿 を どの範 囲でま とめるか頭の痛い し±2℃,ま たそ う内温度 を±1℃の範囲で調節できる 問題であった. 自動温度調節装置 を取 り付 ける.試験温度 は原則 として ところでJISK6200「ゴム用語」 による と,老化試 70±1℃,100±1℃,120±1℃,試験時間は原則 とし 験 とは促 進老化 を行 う試験 をい うと述べ られ てお て24時間,48時間,96時間及び336時間のいずれ か.試験 り,更に促進老化 の項 を見てみる とゴム製 品の自然老 片の重量は,そ う内容積10mlに つ き1gを 超 えては 化の主要な原因 とな るものをなるべ く単一化 し,厳 しく な らず,試 験 の際試験片 が互 に接触 した り,そ う壁 な ど した条件で短時間に老化 させ ることをい うとある.こ に触れてはならない.ま た互いに作用 を及 ぼすよ うな異 こではJISK6301「加硫 ゴム物理試験方法」の6.老化 った種類 のゴムの試験片 を同時にそ う内に入れてはな ら 試験 を中心 とし,加 えて耐熱老化性評価 に役立つ,酸素 ない と定 められている.老化後 の物理試験 は室温 に16～ 吸収測定方法及び応力緩和測定方法にも触れ,更 に耐熱 96時間放置 して後行 われ る. 老化試験方法 の範囲をややはみ出すか と思われ るが,ゴ ASTMD573-67にはJISよりやや詳 しく記述 されて ムの熱分析 についても簡単に述べ ることに した. いるが,こ こでは試験機 を中心 として特記事項 について 述べ る.試験そ う内部 の大 きさは,最 小300×300×300 2.加 熱老 化 試 験 mm,最大900×900×1200mmあるいはこれ と同 じ容 加熱老化試験 としてはJIS,ASTMなどに定 められた 積の もの とし,加熱媒体 としての空気 は常圧下で機械的 次の四つの方法が広 く用い られ る. かきまぜ装置に よって完全 に循環 させ るが,モ ーター駆 1)空気加熱老化試験 動のファンを用い る場合 には,空気 がモーターブラシの 2)加圧酸素加熱老化試験