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剖検時実測した胸腔容積値について 著者名 梶田 昭, 益子 幸子, 葛西 庸子, 上田 国臣 雑誌名 東京女子医科大学雑誌 巻 41 号 9 ページ 682-688 発行年 1971-09-25 URL /10470/1738 10 （跳騨88第繍46糊） 〔原 著〕 剖検時実測した胸腔容積値について 東京女f医科大学第2病理学教室（主任 梶野昭教授） 教授 梶 日i l：1召 カジ タ アキラ 益子 幸子・葛西 庸子・上田 国臣 マシコ サチコ カサイ ヨウコ ウエダ クニナミ （受付 昭和46年5月31口） Akira KAJITA， M．D．， Sachiko MASHIKO， M．D．， Y6ko KASAI， M，D． and Kuniomi UEDA， M．D． DcpartInent of Pathology， Tokyo Women’s Mcdical Collcgc malc abovc 60 year． 1 はじめに り，胸腔と腹腔が完全に分離したのである（図 胸腔（Cavum thoracis）とは，横隔膜によって 1）．横隔膜の下方転位による吸気という様式が 腹腔との間を境いされた体腔の一部である．それ 換気の効率を一だんと尤めたことはいうまでもな は，二つの胸膜腔および心膜腔，大動脈，食道， い． 気管などを含む縦隔からなっている．その大部分 胸腔という限られた空間に，肺，心臓という重 は，いうまでもなく肺および心臓を入れた胸膜腔 要な臓器が収められているという事情は，種々の および心膜腔である．脊椎動物の内で，両懐類 病的過程の進行の上で無視できない要因である． や昆虫類では，心臓をいれる心膜腔が前方に位置 異常な心肥大における圧迫性無気肺などはその著 し，腹部臓器と肺をいれる肋腹膜腔が後方に位置 しい例といえよう．私たちは，胸腔容積値を知る している．哺乳類になって始めて横隔膜ができ上 目的で，解剖時その実測を行なってみた．その方 一682一 11 法は十分厳密なものではなく，例数も少ないが， ここにおよその見積りを算出して若干の検討を加 えておきたい． II方 法 男子39例，女子38例について，解剖時，心臓および肺 を取り出し，胸部屍血量を測定したのち，胸腔に水を満 たしてこの量を測定した（図2）．このさい，胸腔内に はなお大動脈，食道，気管など縦隔臓器が残っているか 狢／z ％貌 ／ ∠肇 〃， ／ 二 ／ ／ 勿