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Allergens News Network メールニュース No.12 △ 最近の話題 ：パンアレルゲンをめぐる最近の動向 -PR-10,プロフィリン以外にも- ▽ △ 特異的IgE 検査 ：ピーナッツコンポーネント ‐最も診断に重要なAra h 2- ▽ ファディア株式会社 発行 (サーモフィッシャーサイエンティフィック グループ) △ 最近の話題 ：パンアレルゲンをめぐる最近の動向 -PR-10 プロフィリン以外にも- ▽ はじめに 花粉関連食物アレルギー（PFS）には、多くの場合、植物の生体防御タンパク質（PR タンパク質）が 関与します。PR タンパク質は進化の過程でその構造が保存されており、分類に関わらず植物間で 構造が類似することがPFS の原因となります。また、多くがIgE結合性を有しています。もっとも良く 知られているのが、シラカンバ花粉の主要コンポーネントであるBet v 1 関連のPR- 10タンパク質で す。Molecular based allergen diagnostics (MA-D)が発展したのもPR-10 があったためと言っても 1) 過言ではありません 。 図1. ブナ目花粉とBet v 1 特異的IgE 抗体価の相関 国立病院機構相模原病院 福冨友馬先生 提供 ブナ目カバノキ科のシラカンバ、ハンノキおよびブナ目ブナ科のブナ、コナラ花粉とBet v 1 特異的 IgE 間に強い相関が認められ、これらブナ目の花粉中主要コンポーネントはPR-10 であることがわ かる。また、これら花粉中のPR-10 間には強い共通抗原性がある。ブナ目は日本全国で自生す るだけでなく公園などに植えられており、シラカンバのない北海道以外でもハンノキをはじめとする 2) ブナ目花粉に感作され、リンゴ、モモなどのPFS を発症する可能性がある 。 3) このタンパク質群は、ブナ目花粉（図1）、果実、野菜類、豆類、ナッツ類、スパイス類に存在します 。 その他に LTP （脂質輸送タンパク：PR-15）、TLP （ソウマチン様タンパク：PR-5）、グルカナーゼ 4) （PR-2）、キチナーゼ（PR-3, -4, -8, -11）などもPR タンパク質に属します 。PR タンパク質以外に 5) 貯蔵タンパク質（2S アルブミン、プロラミン、7S グロブリンなど）も抗カビ、抗昆虫活性を有します 。 1) また、植物間で広汎な交差性に関与するタンパク質としてプロフィリンがあります 。これら交差性を 有するタンパク質の中でも、PR-10、PR-15 （LTP ）、プロフィリンなどは多くの報告があります。 6) 最近、ジャガイモの抗菌作用を有するSnakin と相同性の高いモモの新しいタンパク質ファミリーの 7)