日本産业卫生学会坐未情奴山刀内闭向九人.PDFVIP

日本産業衛生学会 No.2 庄 川 - 立 未 坐 奴 情 刀 山 閉 内 九 向 志 - 〈 E - 人 1993年3月31日 i年 1回発行予定) 編集・発行 産業疲労研究会(世話人:井谷徹，よ畑鉄之丞ー代表 J 近藤雄二，酒井一博) 巻頭言 研究会世話人代表 • 上畑鉄之丞(国立公衆衛生院疫学部) 昨年 1年聞は，名市大の井谷徹先生を中心に準備されていた労働時間と痕労に関する調査グループ がいよいよ始動し始めたこと，循環器疾患の作業関連要因検討委員会が徳島の学会総会で承認され， 検討作業を始めたことなど，研究会にとって疲労研究の新しい方向がすこし芽を出しはじめた年だっ たように思います.また， J1 T(ジャスト・イン・タイム)方式の立ち作業が，三菱電機神戸で負 担が大きいとして廃止された，など労働者の負担軽減を大きく前進させる動きもありました.ここ数 年来，社会問題として定着した感のある過労死問題には，大きな前進はみられませんでしたが，労働 組合の連合が「過労死プロジ、エクト報告」を出すなど，労働組合の関心が高まった年だったともいえ ます.また，労働衛生行政面では，職場の疲労対策にも目を向ける方向として「快適職場」という新 しい概念も打ち出されました. 産業技労研究にかかわる問題では，このように次々と新しい課題や概念が登場し，研究されねばな らない分野がひろがる状況にあります.例えば，疲労研究とストレス研究は，重なる領域が年々増え， 学会や研究会でも区別できないテーマが多くなってきています.こうした領域の研究をどう総合的に 発展させるかは，研究会の差し迫った課題かも知れないと感じているところです. その例になるかどうかは分かりませんが，最近興味深い現象に気がつきました.従来，労働時間と • と蓄積疲労徴候の訴え率は，必ずしも直線的ではないにしろ，労働時聞が増加すると，訴え率も増加 すると考えていたのですが，月残業時聞が80時間を越えるなど極端に多くなると，必ずしもそうでな く，逆に減少する場合もあることが，ある産業別労働組合の残業負担の分析で知りました.どうして そうなるのかを考えていたとき，たまたま東京医大の岩根教授グループの人達が，トライアスロ ンの ストレス反応として βーエンドルフィンの排准が高まることを報告しているのを知りました.麻薬様 物質ともいわれるこの物質が，超長時間残業をこなしている労働者にも多大に分泌されている可能性 はないか，ひょっとしたらこんなところに疲労とストレスを統合的にとらえるキーワードがあるかも 知れないと考えてみました.疲労は，自覚的，主観的な徴候だけなのか，作業能率の低下や作業ミス の増加だけでしか表現できないのか，古くて，新しい課題に相変わらずとらわれすぎているのかも知 れませんが，私自身のテーマが一つ増えたように思います. ともかく，昨年は徳島，名古屋と2回の研究会が開催されました.お世話を頂いた松本一弥世話人， 井谷徹世話人のご尽力とともに，漬題を提供いただいた多くの方に感謝いたしますと共に，今年も ぜひ活発な研究会活動にできればと考えています. -1一 れた.その後の活動については，別項を参照. 世話人会は，第 1回目が1992年3月29日 活動報告 にもたれ，年間計画や研究会の日程