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家庭科だより ＮＯ．４０９ まど Ｈ２６．１１ 寅さんと家庭科教育 寅さんは意外と筆まめです。「わたくし反省の日々を過ごしつつ、とらやの御繁栄を心より 祈っております。」なんて文章をすらすらと書いてしまいます。 邦画を代表する「男はつらいよ」は、１９９６年に渥美清が亡くなり打ち止めとなりました。 実はこの当たりから携帯電話が爆発的に普及をしていきます。この映画は携帯電話があったら 成立しません。若い人のために少し映画の解説をします。「男はつらいよ」はテキ屋稼業を生 業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎が、何かの拍子に故郷の葛飾柴又にふらっと帰って来 ては大騒動を起こす人情喜劇です。柴又の「とらや」のおばちゃんが「今頃、どこで何をして いるやら」とつぶやきます。「どこにいるか分からない」から「フーテン」です。連絡は旅先 の寅さんからでなくてはできません。公衆電話から電話したり、時にはハガキを書いたりしま す。寅さんが携帯電話を持っていて、いつでも連絡がつくようでは、急にふらっと帰って来ら れないわけです。 「寅さん」の映画を見ながら家庭科教育のことを考えました。携帯電話が出現してから、「と らや」以外の家族の在り方も大きく変わりました。家庭科も技術科と同様に「ものづくり」を 通して学ぶ教科であると思っていましたが、最近では「ものづくり」より「人と人とのかかわ り」などに重点が移って来ているという声もあります。「自分と家族などとのかかわりを考え て・・・」と指導要領の目標にもあります。だからと言って家庭科が「ものづくり」から軸足 を外して大丈夫でしょうか。同じく目標にある「実践的・体験的な学習」は、やはり「ものづ くり」ではないでしょうか。これが揺らぐと、家庭科でやろうとしていることは、総合的な学 習や特別活動、道徳でもできることになり、教科の存続を危うくするように思います。 最後にもう一度「寅さん」に戻ります。寅さんは旅先で困った人に出会うと、「困ったこと があったら、葛飾柴又に 『とらや』というケチなだんご屋があるから訪ねて行きな。」と優し く声を掛けます。実際に訪ねて行くと、初対面にも関わらず「とらや」の面々がとても親切に してくれます。かかわりを大切にした家族です。柴又のとらやでは、今日も売り物のだんごを こさえながら、寅さんが帰って来るのを家族のみんなが待っています。おばちゃんは寅さんが 帰って来ることが分かると、寅さんの好物のお芋の煮っ転がしを作ります。寅さんが喜ぶ顔を 想像して、腕をふるうのです。このように、ものづくりを通してかかわりを考えて行くのが、 この教科の最大の特色です。これからも、ものづくりを大切にしていきたいものです。 中技術科部顧問校長 浜松市立麁玉中学校 藤井 信男 ＜３．４部会の実践紹介 「食」生活の学習から＞ 芳川北小学校の実践 ～子どもが家庭で話題にし、楽しく学ぶ工夫～ ◇５年「こだわりのサラダを作ろう」 家庭で共通の話題になるように、参観会で家庭科の授業を行った。楽しく学べ るようにクイズを取り入れた。 Ｑ１ 割って黄身が盛り上がったものと、そうでないものは、どちらが新しいか。 Ｑ２ ゆで卵と生卵を割らずに見分けるには、どうするか。 Ｑ３ 塩水に入れると、①底で横に沈む卵 ②底で縦になる卵 ③少し浮かぶ卵の 場合、どれが新しいか。 Ｑ４ 冷蔵庫に入れるとき、卵はとがった方が上か下のどちらが長く保存できるか。 Ｑ５ 青菜（ほうれん草）は、沸騰した中で何分ゆでるか。 それぞれに、正解とともにその理由を説明した。そして、翌日の音読カードには、 「家でも家族にクイズを出して、その解説をしていました。」「毎日、家事を見て いるようで、料理について意外に知らないことがあるのですね。」「これから料理 の手伝いをさせます。」など、多くの感想が寄せられた。 蒲小学校の実践 ～マイサラダ・オリジナルドレッシング作り～ ◇５年「ゆで野菜のサラダをつくろう」 野菜サラダを計画する際、ゆで野菜のサラダは もちろん、ドレッシングも一人一人が自分