特别支援学级国语科学习指导案-iwate.PDF

特別支援学級国語科学習指導案 日 時 平成22 年６月24 日(木) ５校時 児 童 ４年男児１名 授業者 １ 単元名 本と友達になろう 教材名 白いぼうし （文学的文章） ２ 単元について (1) 児童について Ａ児はこれまでに，「三つお願い」の学習を通して，場面ごとに言葉の意味や使い方を学習し た。児童は読書が好きで「かいけつゾロリ」シリーズや「ほうれんそうマン」シリーズなどを登 場人物になりきって音読している。初めて読む本でも比較的すらすらと読むことができるが，言 葉の響きや文のリズムを楽しんでいることが多く，話の内容は理解できていないことが多い。 Ａ児は，実践から学んだ言葉や知識についての理解は比較的できているが，抽象的な事象や一 般常識についての理解は乏しい。また，言葉の意味を勘違いして覚えていることも多い。今まで に学習した漢字はほぼ正確に読めるが，数種類の読み方があったり音読み訓読みがあったりする と正しく読むことができない。文字を書くことについては，指先に力が入らないため筆圧が弱い， 指先を器用に動かすことができない等の理由のため，字形の整った文字を書くことが難しい。そ のため，国語科の学習では，新出漢字の練習はなぞり書きをさせ，視写する場合は，一文視写や 抜書き視写に取り組ませている。作業の集中時間は短いが見通しをもつことによって集中して取 り組むことができる。 これらの実態や障がい特性を踏まえ，本単元では「新出漢字を正しく読むこと」「新出漢字を なぞって書くこと」「語彙を広めること」を身に付けさせるとともに，「会話文に着目させること」 「会話文の前後にある行動を表す言葉を見つけること」を指導することを通して読む力を身に付 けさせたい。 (2) 教材について 「白いぼうし」は帽子を拾ったタクシー運転手の松井さんと，擬人化されたちょうの心の交流 を軸に，お客の紳士との会話，虫とりあみをかかえた男の子とその母親の様子など，初夏のさわ やかな陽光の中での人々の触れ合いを温かく描き出した作品である。松井さんの優しさを中心に， 現実と非現実が交錯する不思議な世界を，「夏みかんのにおい」という嗅覚のイメージ語，「白い 帽子」「もんしろちょうの白」「信号の赤・青」「並木の緑」などの色彩のイメージ語をちりばめ， 読者にさわやかさを感じさせながら展開していく。様子や心情を読み取ったり，想像したりする ことに困難さがあるＡ児にとっては，場面ごとに学習する中で会話文に着目させるとともに，そ の前後にある主人公の行動を表す言葉と結び付けることにより，主人公の 「やさしい」「親切」 等の人柄に気付かせる学習に適した教材と考える。また，においや色を表す言葉や比喩表現につ いての理解を広げることにも適した教材と考える。第三次には，本の探し方を知り，「おすすめ の本」カードを作って紹介する活動へと発展させていくことにより，本に親しむことができる単 特支－1 元である。 (3) 指導について 本単元では，言葉の意味を正しく理解したり，会話文やその前後にある行動を表す言葉から主 人公の人柄を考えたりすることを目標とする。 第一次では，全文を読み，「登場人物を見付けること」「誰の会話か確かめること」を通して， 内容を正しくとらえることを指導していく。 第二次では，場面ごとに主人公の会話文から，主人公のやさしい親切な人柄を考えることを指 導していく。その手がかりとして，会話文の前後にある主人公の行動を表す言葉を見付けること を教えていく。また，ノートに視写する際，「車のいろは空のいろ 白いぼうし(ポプラ社)」の松 井さんの挿絵を示し，挿絵からも松井さんの人柄についてイメージさせていく。言葉についての 指導としては，にお