脊索动物 - J-Stage.PDFVIP

See discussions, stats, and author profiles for this publication at: /publication/3160278 Neuromuscular synapses in ascidians, fish and higher vertebrates. Article in Hikaku seiri seikagaku(Comparative Physiology and Biochemistry) · March 2017 DOI: 10.3330/hikakuseiriseika.34.12 CITATIONS READS 0 2 2 authors, including: Fumihito Ono Osaka Medical College 45 PUBLICATIONS 825 CITATIONS SEE PROFILE All content following this page was uploaded by Fumihito Ono on 18 May 2017. The user has requested enhancement of the downloaded file. All in-text references underlined in blue are added to the original document and are linked to publications on ResearchGate, letting you access and read them immediately. 総説 神経筋シナプスのメカニズムとその進化：ホヤから魚，そしてヒトへ 西　野　敦　雄・小　野　富三人 我々の体は，筋肉が動かしている。骨格筋には発生段階， の系統に属することから興味を持たれてきた（図１）。ホヤ 部位，生理特性に応じた分化・多様化が見られ，中枢神経 の成体は袋状の形態をもち，固着性で移動しないが，その 系がその収縮を精妙に指令している。神経からの入力が筋 体から放出された卵と精子は海水中で受精し，幼生となり 肉をいかに収縮に導くかについては，Galvani 以来，時に 孵化する。この幼生は，カエルのオタマジャクシに似た形 歴史的な発見を生み出しながら，これまで哺乳類や両生類 をしており，しばらく海の中を泳いだ後に体の先端で着底 の脚の筋肉が主なモデルとなり，理解がもたらされてきた。 し，尾部を吸収して成体へと変態する。このホヤのオタマ そこで明らかになった興奮－収縮連関機構は，単一の運動 ジャクシ幼生の基本体制は，脊椎動物のそれに確かに対応 ニューロンが骨格筋線維に入力し，イオンチャネル型アセ する（図２）。体幹と尾部を区別でき，尾部の中央には脊索， チルコリン受容体に受容されたシグナルが筋細胞膜の活動 電位を誘起する“全か無か”の過程が基本となる。他方で， 両生類や魚類がもついわゆる「遅筋」は，活動電位が発生せ ずに収縮が起こることが認められていたが，その興奮－収 縮連関の仕組みは未知のままであった。近年，脊椎動物に 最も近縁な無脊椎動物の系統に属する動物「ホヤ」のオタマ