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臨海事故から約130日後のJ　COの敷地内および周辺の空間線量率（J　C　O報告、その3） 41 臨界事故から約130目後のJCOの敷地内および周辺の空間線量率（JCO報告、その3） 松沢孝男 丁晶竈o　MATSUZへwA 1．緒言 「原子物理」が必修になったという。現在の理科離れを放任 する目本の理科教育とは逆方向の対応である。このような事 情は、JC0の事故のほぼ1年前の平成10年12月の放射線教育国 　1999年9月30目のJCOの臨界事故の際、筆者はGMサーベイ メーターで勤務先の茨城高専とJCOの周辺のγ線の空間線量際シンポジウム（lS肥’98）でToth先生の講演で聞いたことで 率を測定した〔1－61。翌10月1日朝には臨界状態も終息した。 ある。この1998年のシンポジウムは有馬朗人先生が大会委員 しかし公民館に避難した350m圏の住民の避難解除がなかなか長となって準傭されていたところ、文部大臣に就任されたた め、伏見康治先生が委員長を引き受けられたものであった。 許可にならなかったため、10月2目の16時頃JCO杜南西側の県 道62号線に沿って、再度事業所周辺の空間線量率の測定を行 　有馬先生は、大臣の激務の間を縫ってシンポジウムに出席 ったロー2］。この時点では既に県道62号線の封鎖は解除になっ され講痢8】をされ招待講演等も聴かれ、先生を囲む懇親会に も出席されている。但しjC0の臨界事故の際、ハンガリーの ていた。9月30目に510μSv／hのγ線の線量率を検出した付近 （F）（最近接地点）では若干の残留（誘導）放射線を検出し Toth先生および物理学会会長のM㎝（教授の講演の内容を思い たが、最強時の1／1，000程度の値であった（mの図6）。 出されたかどうかは詳らかではない。JC0の臨界事故への対 　その後、新聞やテレビ等の報道によれば、JC0杜の転換棟 応を見る限り文部大臣だけでなく参加したほとんどの学校関 の周囲には土嚢が積まれ、更にコンクリートの遮蔽ブロック 係者に影響を与えなかったのではないかと借しむものである。 も運びこまれ遮蔽は強固のものになったという。これも報遣 　今回のJC0の臨界事故は、JC0の事業所の外の一般杜会の によればJCOの転換棟の反応槽のウラン溶液も回収され反応 現象だけで考えれば、目本の従来の放射線教育や原子力教育 の虞も、汚染の拡大の虞も無くなり、周辺の空間線量率も下 がどの程度のものであったかを測るバロメーターの役割を果 がったという。但し、科学技術庁やマスコミの報道は、地元 たしたのではないかと考えられる。従来の様々な、放射線教 ではほとんど信用されていない。いくら専門家がきちんと測 育・原子力教育が不毛で、現実の放射線災害・原子力災害に 定しても、だめのようである。また、東海村が行った村民（成 直面したとき、特に教育者集団が何の行動も自発的にできず、 人）へのアンケートでは、臨界事故の際誰の言を信じたかの項 また文部大臣、文部省、教育委員会等も何ら的確な指示を出 に、学校の教員を挙げたのは僅カ刈、4％であった。教員の知識・ すこともできなかったのではないかと密かに思っている。 情報は地域住民から殆ど当てにされていないということであ 　筆者が「茨城県での環境中のラドン測定」のテーマで平成 る。事故当目および原研創設以来40余年のそれ迄の地元の教 5年度の東レ理科教育賞に応募した際【9】、最終選考の審査委 育関係者（大学関係者も含む）のしてきたこと・してこなか 員面接の場面で、『ポリカーボネート（CR－39）のエッチングを ったこと（不作為）を見れぱある意味で当然という気もする。 外注に出してでも生徒