Title 軍事技術の概念規定に関する一考察 經濟論叢 (1988 .PDFVIP

Title軍事技術の概念規定に関する一考察 Author(s)阪部, 有伸 Citation經濟論叢 (1988), 141(2-3): 182-202 Issue Date1988-02 URL /10.14989/134225 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversionpublisher Kyoto University 会必~ 香時 第 141巻第2・3号 予算過程とコーディネイター ...・H ・・・池上 惇 1 産業構造分析と経済発展・・・ ー…ー ー瀬地山 敏 12 ワイマーノレ期財政調整E邦財政高権〔下〕 ・・武 田 公 子 41 Vλ モンディの経済学・H ・…堂目卓生 61 内部補助をめぐる若干の考察 -・・・・森 統 79 軍事技術の概念規定に関する一考察ーーーーー阪部 有仲 100 昭和63年2・3月 東郡大事経務事曾 叩 2 軍事技術の概念規定に関する一考察 1反部有イ申 I はじめに 経済の軍事化が一段と進展し軍事経済を研究することの重要性が再認識され るに至った今日，かつてよC.::，./ゲルスが『反デューりング論』のなかで定式化し たかの有名な「軍国主義滅亡の弁証法」を基礎とLて，軍事機構と軍事産業と の結合体制を中心とした軍事経済の運動法則(島恭彦『軍事費.1)の解明を更 に進めることは，きわめて重大な意義を持っているヘ技術と軍事経済の関係， 軍事技術と産業技術の関係など，軍事経済研究のなかでも重要な位置を占める 諸問題を分析しその関係を解明する作業は，現代技術論の研究においても』一 つの重要な課題となっている。 元来，軍事技術についての研究は，軍事経済に対する技術論的なアプP ーチ にとって決定的な意義と重要性を有するものであるが，昨今，経済軍事化の進 展を反映して』諸研究やジャ ナリ月ムのうえにも軍事技術という月語が広範 囲に使用されており， しかもこの用語の意味内容が論者によって相互に異なる 理解を受けている現状をみると，軍事技術という用語に一定の統ーした科学的 な理解を与えるための作業が，なによりもまず必要になっているように思われ る。 軍事技術の概念を科学的に把握しておくことは，軍事技術に関する有名な論 争〔軍事技術ロード論争〉の再検討や軍事技術の発展法則を掴み出すために必 1) 寧事経肝研究の重要性を再認識させる最近の研究昨昇に 姫井昭夫「軍拡経済白構図 1，1984 年，がある。また. r軍国主義滅亡の弁証法」およびその法則を現代資本主義分析に適用する際 の留意点については，池上位「財政危機と住民自治ム 1976恥 2Ql-202ベ ジ，を参照されたい. 軍事技術の枇士規定に関する一考主主 (83) 101 要な具体的分析の前提であり，軍事技術の分析と経済学的考察のための基礎的 な視角を確立するという現代技術論にとっても重要な課題の遂行に大いに役立 つであろうo 「軍事技術とは何か」という問題提起に対して，本稿では，まず第一に，技 術論的アプローチにとって軍事経済研究を行なう際の決定的な分析用具たる軍 事技術の概念について，従来り代表的な研究者の諸見解を整理し，その上で， 今日の科学的な技術論研究の到達点と考えられる「労働手段体系説」をふまえ てこれらの諸説〈とりわけ小