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オフィス空間のデザイン研究のレビュー : 知的創造性に Title 着目したオフィス空間のデザインをめぐって Author(s)阿部, 智和 地域経済経営ネットワーク研究センター年報 = The Citation Networks, 3: 87-101 Issue Date2014-03 DOI Doc URL /2115/55214 Right Type bulletin (article) Additional Information File REBN3_087.pdf Information Instructions for use 87 地域経済経営ネットワーク研究センター年報　第 3 号 北海道大学　2014 . 3 　＜研究論文＞ オフィス空間のデザイン研究のレビュー －知的創造性に着目したオフィス空間のデザインをめぐって－ 阿部　智和 【要　約】　本論文の目的は，わが国で積み重ねられてきたオフィス空間のデザインに関する研究知見のうち，と りわけ 2000 年以降の研究の到達地点を明らかにすることにある。本論文で 2000 年以降の研究蓄積に注目を向け る理由は，経営学者たちもオフィス空間のデザインを重要視し始めたことにある。より具体的には，この時期 を契機として，知的創造や知識創造を促すオフィス空間のデザインを志向した研究が創始されているのである。 1990 年代までのオフィス空間内の快適性の向上を志向した研究とは異なり，建築学者や実務家たちだけではな く，一部の経営学者たちからもオフィス空間のデザインに対して注目が向け始められたのである。 　本論文で明らかにする先行研究が辿り着いた研究知見は，以下の 3 点に集約することができる。より具体的に は，①実務家や一部の経営学者たちによって知的生産性を向上させるオフィス空間のデザインへの注目が向けら れ，実際にオフィス空間の設計が行なわれてきたこと，②建築学者を中心として知的生産性を計量的に把握する 試みが積み重ねられ，定量的なデータにもとづいたオフィス空間のデザインが志向されてきたこと，③経営学者 たちがコミュニケーションを鍵概念にして，オフィス空間のデザインについて考察を加えてきたこと，の 3 点で ある。最後にこれらの研究の貢献と残された問題を明らかにし，今後の研究課題を提示する。 【キーワード】オフィス空間，デザイン，知的生産性，知識創造，コミュニケーション 1．はじめに たこと，②建築学者を中心として知的生産性を計 量的に把握する試みが積み重ねられてきたこと， 　本論文の目的は，わが国で積み重ねられてきた ③経営学者たちがコミュニケーションを鍵概念に オフィス空間のデザインに関する研究知見のう して，オフィス空間のデザインについて考察を加 ち，とりわけ 2000 年以降の研究の到達地点を明 えてきたこと，の 3 点が示される。 らかにすることにある。我々がオフィス空間の設 計に注目するのは，「オフィス空間の設計は企業 2．知識創造理論を援用したオフィス空間のデザイン が目的を達成する上の必要条件とはならないが， 十分条件にはなる」という主張がなされているか 2?1．知的生産性への注目 らである（オフィスユースウェア?マネジメント 　オフィス空間のデザインに関する研究や実務家 研究会 , 2012）。さらに，本論文で 2000 年以降の による実際の試みは，1990 年代まではオフィス