政策形成と政策评価.doc

政策形成と政策評価 （テキスト「プロローグとサマリー」（Pⅲ―Pⅹⅰ）の予習結果の学生の発表）（政策学の観点からのテキストの構成の全貌理解） （記載欄） 第１　政策の概念 政策とは、政府が環境に働きかけ、これに新たな変更を加えようとする際の活動案のことである。政策の具体的内容は、法律?条例?規則?長期構想?予算?国会決議?閣議決定?首相の施政方針演説などによって示される。 政策の諸要素　政策は、目的?主体?対象?手段の４つを主要な要素とする。また、 財源や活動の基準なども、政策を構成する要素となることがある。 　　　　目的　　　　　　　主体　　　　対象　　　　　　　　手段 例１　交通安全の確保　　　警察　　　暴走族　　　　　一斉検問での摘発 例２　在宅介護の充実　　ヘルパー　一人暮らしの老人　　訪問看護の実施 （２）政策の循環構造　政策は、課題設定?政策立案?政策決定?政策実施?政策評価という５つの段階を経て展開される。 課題：犯罪発生件数　　　政策：警察官増員計画　　　政策：警察官増員計画 設定　の引き下げ　　　　立案　の策定　　　　　　　決定　の承認 　　　　　　フィードバック 政策：警官の増員が犯罪発生件数の減少に　　　政策：警官の新規採用数 評価　寄与した効果の検証　　　　　　　　　　実施　の引き上げ 政策の循環構造 （注）Plan（計画）―Do（実施）―See（評価）の３段階を設定する考え方もある。 第２　政策決定の理論 政策決定の方法については、これまで様々な理論が提唱されてきた。 合理的選択論　政策決定者が想定しうる限りの政策案を列挙し、それぞれの効用 （＝満足度）を正確に比較したうえで、最も効用の大きな政策案を選ぶとする理論を合理的選択論という。合理的選択論は人間の完全な合理性を前提としており、最大化モデル（サイモン）ないし総覧的決定モデル（リンドブロム）とも呼ばれる。 　もっとも、実際の人間の合理性には限界があるため、一定の満足をもたらす政策が見つかれば、そこで政策探求がうち切られることも多い。 　政策案　　　A　　　　　B　　　　、、、、、　　　　　Ｘ 　効用　　　＋８０　　　＋６０　　　、、、、　　　　＋１０ 　「効用を比較すれば、A＞B、、、＞Xとなる。よって、Aを採用すべきである。 　　　　　　　　　　　　　合理的選択の例 インクリメンタリズム　リンドブロムの提唱したインクリメンタリズム（漸増主 義）とは、現状をとりあえず肯定したうえで、差し迫った必要があった場合にのみ、政策に微少の変更を加えていく政策決定方式のことである。政策変更に当たっては、取るべき選択肢が２－３個想定され、その中から最善案が選ばれる。 　リンドブロムは、インクリメンタリズムが人々の実践すべき規範としての意味を持つと考え、これが幅広く実践されている現状を肯定的に捉えた。 ２００X年　　　　　１年後　　　　　　　２年後　　　　　　　　　　　３年後 児童手当　　　　　政策の継続　　　　　支給額の増額　　　　　　　　支給対象拡大 支給　　　　　　（問題なし）　　　　　（少子化）　　　　　　　　（一層の少子化） 　　　　　　　　　　　　インクリメンタリズムの例 （３）ごみ缶モデル　コーエン、マーチ、オルセンらは、政策の選択機会をごみ缶にたとえ、その中には多種多様な課題、解決策、参加者など（＝ごみ）が投げ込まれているとした。そして、ごみの混合状態やごみの処理の仕方に応じて、特定の課題と解決策が結び付き、政策決定に至ると主張した。 　　　　　課題　　行政の効率化、財政支出の削減 　　　　　　　　解決策　省庁統廃合、OA化、福祉水準引き上げ 　　　　　　　　参加者　官僚OB、福祉関係者、IT企業関係者 投入　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　効率化のためのOA化を進める　　決定 　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　行政改革会議　＊他の課題や解決策は、参加者の 　　　　　　　　　　　　　　　　　　一部から反対を受ける。 　（ごみ缶モデルの例） （４）混合走査法　　エチオーニは、重要な政策とその他の政策とで、政策の立案?決定の手法を使い分けるべきであると主張した。 重要な政策　　実現可能性の高い政策案を少数立案し、合理的選択を行う。 その他の政策　インクリメンタリズムの手法で、政策の立案?決定を行う。 第３　利益団体と政策形成 現代の政策形成過程において、利益団体（＝圧力団体）は大きな影響力を行使している。そのため、それをモデル化した理論も数多く提唱されている。 政治的多元論：政治的多