HFC冷媒使用机器の施工上のポイント.docVIP

HFC冷媒使用機器の施工上のポイント　 低温機器設置の基本的な作業手順は従来機種と同じですが、新冷媒HFC冷媒使用機種の設置においては、特に下記の点にご注意ください。 冷媒転換促進のお願い 機器メーカーとして、オゾン層保護の観点からHFC冷媒への転換を積極的に取り組んでまいります。つきましては、据付工事に携わる皆様にもご理解の上、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。 その1. 冷凍機、蒸発器、冷媒機器の選定と冷凍機油の取扱い 冷凍機の選定 ●新冷媒用の機器を使用願います。CFC又はHCFC専用機にHFC系冷媒を入れ替えて使用されますと圧縮機の故障や不冷凍のトラブルが発生します。 蒸発器の選定 新冷媒用に設計?製造された機器の使用をお願いします。現行品をそのまま使用されますと、トラブルが発生するおそれがあります。 冷媒機器の選定 新冷媒用の機器を使用願います。現行品をそのまま使用されますとトラブルが発生するおそれがります。 冷凍機油の取扱い ●各冷凍機メーカーごとに、冷凍機油を指定しております。再注入などの際は、指定冷凍機油をご使用になるか冷凍機メーカーの指示に従ってください。●吸湿気が大きいため、缶を開封してそのまま放置しておくと空気中の湿気をどんどん吸収してしまいます。油の管理及び施工時には細心の注意を払う必要があります。●HFC系冷媒は、従来の冷凍機油には溶けません。→新しい冷凍機油が必要となってきます。●冷凍機油として、化学的安定性、潤滑性が良好でかつ新冷媒との相溶性の良い下記のものが、一般的には推奨されます。 ポリオールエステル（POE） ポリアルキレングリコール（PAG） ポリカーボネート（PC） ポリビニールエーテル（PVE） ●サイクル内に不純物や水分を混入させないことはもちろんですが、試運転後冷凍機油を交換することは、極めて有効なことです。 その2. 据付け?サービス用工具の選定 ●新冷媒用の専用工具を使用願います。現行冷媒の工具との比較は下表を参照願います。 使用する器具 R404AR407CR507A R134a 変更内容 ゲージ?マニホールド × × 油の変更のため併用不可 チャージホース × × 同上 ガス漏れ検知機 × × HFC系冷媒専用 真空ポンプ ○ ○ 逆止アダプタ使用必須 フレアツール ○ ○ ― トルクレンチ ○ ○ ― パイプカッタ ○ ○ ― 冷媒充填ハカリ ○ ○ ― ○：R22従来品と流用可　　　×：新規に準備が必要 その3. 冷媒配管の施工 ●新しい冷媒に対応するために、冷凍機油が変更されています。新しい油は不純物により劣化しやすく、故障の原因となりますので施工時には、下記を注意願います。 配管内に異物（水分、油分等）が混入しないよう保管場所の注意、管端のシールの徹底 無酸化ロー付けの徹底 真空引きの徹底 冷媒に応じた圧力での気密試験の徹底 冷媒漏れ防止のため、配管接続?支持?防振の徹底 なお、既設配管を使用される場合は、冷凍機メーカーにご確認願います。 その4. 冷媒充填作業 ●新冷媒の冷媒充填は気相?液相の組成が若干変化します。このため、必ず液相側から冷媒充填を行ってください。●指定された冷媒を必ず封入してください。●R134a、R404A、R507Aの冷媒は、追加充填が可能です。●R404A、R407Cの冷媒は、共沸ではないため、スーパーヒート?過冷却度は一定ではありません。 新冷媒 R134a R404A R407C R507A 特　徴 と 用　途 ?単一冷媒の　ため取扱い　が容易?小容量、中　温用向き ?三冷媒混合　(HFC125/143a/134a　　=44/52/4) ?高圧圧力はR22の1.2倍 ?三冷媒混合　　(HFC32/125/134a　　=23/25/52) ?圧力特性はR22に近い?冷媒の状態による　組成変化が大きい ?二冷媒混合　 (HFC125/143a　　=50/50)?共沸混合冷媒の　ため取扱いが容易?低温用向きで　能力はR502と　同等以上 分　類 単一冷媒 擬似共沸 混合冷媒 非共沸 混合冷媒 共沸 混合冷媒 現　行 冷　媒 R12 R22/R502 R502 ■冷凍機油の違いによる混入防止 （注）業務用パッケージエアコンに使用するR407Cに当解説は適用しません。 鉱物油と新冷媒（R410A）は非相容性です ポイント１：既設配管の再使用における混入防止 ※エアコンメーカーにより再利用の方法は異なります。