利用成果报告书-OASIS-室兰工业大学.PDF

FMS-141107-06-08 先端研究施設共用促進事業【複合極限環境評価法による先進材料開発】 室蘭工業大学 OASIS/FEEMA 計画推進室 利 用 成 果 報 告 書 Ⅰ-1. 利用課題名 炭化した抄紙汚泥の性状調査と成分分析 Ⅰ-2. 利用者名 苫小牧清掃企業組合 エコワークス苫小牧 施設部 部長 渡辺秀敏 Ⅰ-3. 利用施設名 室蘭工業大学 FEEMA 施設 Ⅰ-4. 利用期間 平成 25 年12 月24 日 – 平成 26 年9 月30 日 Ⅰ-5. 利用の目的・内容 エコワークス苫小牧は長い伝統に培われた経験と技術に基づいて独創的エコ プロジェクトを推進する環境総合企業として、無機・有機汚泥を適正処理する ことによって覆土材、土壌改良材、有機肥料原料等の有付加価値のリサイクル 商品の製品化に挑戦している企業として高い評価を得ている。 その一環として苫小牧地域で製造されるクラッチペーパー摩擦材の製造 途中で産出される抄紙汚泥を特殊処理することによって、元抄紙汚泥と異なる 性質を有する高付加価値材料として有効活用する商品開発を推進中である。特 殊処理後の物質の性状及び含まれる成分を詳細に調査してその性能および商 品としての付加価値を定性的、定量的に把握することを目的として検討を開始 した。 １．抄紙汚泥体は概略次の物質で構成されている。 (1)天然繊維、合成繊維などの基材 (2)摩擦調整剤 無機状粉末物質：セラミックス、グラファイト、珪藻土、二硫化モリブ デン、シリカ粉末等 有機質粉末物質：カシューダストやフッ素樹脂粉末等 (3)硬化剤（繊維基材と摩擦調整剤に含浸し硬化する硬化剤）：フェノール 樹脂等 ２．特殊処理（蒸焼処理） 摩擦材の特殊処理には環境保全にも配慮し蒸焼処理を採用した。その 結果、天然由来繊維は多孔質に、その他を構成する物質も粉末又は適度な 構造を有する炭化焼結体に変換できていると推定していた。 元摩擦材の蒸焼処理した炭化物質に次のような用途を期待しており、その性能 を調査する目的で検討を行った。 ① 脱臭、防湿建材：木炭、竹炭の代用（物質の性状が多孔質か？） ② 肥料原料：炭化物質による土壌改良効果（肥料取締法に適合すること） 融雪剤：吸熱効果（有害物質が検出されないこと） Ⅰ-6.社会・経済への波 本課題は今まで埋め立て処分される産業廃棄物を再活用し、付加価値を付け 及効果の見通し た新商品開発に関する課題であり、低環境負荷型社会の実現および地域産業の 育成の観点から高い波及効果が期待される。 Ⅰ-7.公開延期の希望 有 （ 年間） 無 ○ Ⅱ.成果の概要 1