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芥川龍之介 　1892年3月1日 - 1927年7月24日、日本の小説家。号は澄江堂主人、俳号は我鬼を用いた。 　その作品の多くは短編で、「芋粥」「地獄変」「歯車」など、『今昔物語集』『宇治拾遺物語』などの古典から題材をとったものが多い。「蜘蛛の糸」「杜子春」など、童話も書いた。 　1927年7月24日未明、友人にあてた遺書に「ぼんやりした不安」との理由を残し、服毒自殺。35歳という年齢であった。後に、芥川の業績を記念して菊池寛が芥川賞を設けた。 作品の特徴 　芥川龍之介の作品は、多く短篇小説が知られている。しかし初期の作品には、西洋の文学を和訳したものも存在する（「バルタザアル」など）。英文科を出た芥川は、その文章構成の仕方も英文学的であるといわれている。 　芥川龍之介は、主に短編小説を書き、多くの傑作を残した。しかし、その一方で長編を物にすることはできなかった（未完小説として「邪宗門」「路上」がある）。また、生活と芸術は相反するものだと考え、生活と芸術を切り離すという理想のもとに作品を執筆したと言われる。晩年には志賀直哉の「話らしい話のない」心境小説を肯定し、それまでのストーリー性のある自己の文学を完全否定する（その際の作品に「蜃気楼」が挙げられる）。 　「杜子春」など古典を参考にしたものや（原話は唐の小説『杜子春伝』）、鈴木三重吉が創刊した『赤い鳥』に発表されたものなど児童向け作品も多い。一般的には、キリシタン物や平安朝を舞台とした王朝物などに分類される。また、古典（説話文学）から構想を得た作品も多い。例えば、「羅生門」や「鼻」、「芋粥」などは『今昔物語集』を、「地獄変」などは『宇治拾遺物語』を題材としている。またアフォリズムの制作も得意としており、漢文などにも通じていた。 主な著作 老年 1914年 羅生門 1915年 鼻 1916年 芋粥 1916年 煙草と悪魔 1916年 戯作三昧 1917年 蜘蛛の糸 1918年 地獄変 1918年 邪宗門 1918年 犬と笛 1919年 魔術 1919年 蜜柑 1919年 舞踏会 1920年 秋 1920年 南京の基督 1920年 杜子春 1920年 アグニの神 1920年 藪の中 1921年 将軍 1922年 三つの宝 1922年 トロッコ 1922年 魚河岸 1922年 おぎん 1922年 侏儒の言葉 1923年～1927年 漱石山房の冬 1923年 猿蟹合戦 1923年 雛 1923年 おしの 1923年 あばばばば 1923年 一塊の土 1924年 大導寺信輔の半生 1925年 玄鶴山房 1927年 河童 1927年 誘惑 1927年 浅草公園 1927年 文芸的な、余りに文芸的な 1927年 歯車 1927年 或阿呆の一生 1927年 西方の人 1927年 　『羅生門』は芥川龍之介による初期の小説。『今昔物語集』の「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を題材にした短編小説。また、『羅生門』とは朱雀大路にある平安京の正門。(正しくは『羅城門』であるが、人間の生を意識してあえて『羅生門』にしたと考えられている） 創作背景 　芥川龍之介の初期の作品は主に歴史小説であるが、昔のことを再現するものではない。歴史の背景を借りて、新しい主題、芸術化した問題などを論じられた。『羅生門』はその時期の代表的作品である。周知のように、この小説は作者の最も愛読した『今昔物語』から材料を取って書かれたものである。 　一方、作者は自らの恋愛に当たって痛切に体験した?『羅生門』の創作は作者の恋愛に直接な関係がある?芥川龍之介の初恋の相手は?彼の知り合いの家の娘である?結婚に進むところを芥川家に強く反対されて?特に誰よりも芥川を愛する伯母は一番反対した。 「家のものにその話を持ち出した?そして烈しい反対を受けた?伯母が夜通し泣いた?僕も夜通し泣いた。あくる朝むづかしい顔をしながら僕が思い切ると云った。」 　　平日至れり尽せりの配慮してくれた伯母は個人の利益を考えて?強硬な態度で彼に結婚のことを思い切らせた。恋に失敗した芥川龍之介はこのように書いた。「周囲は醜い。自分も醜い。そしてそれを目のあたりに見て生きるのは苦しい。しかも人はそのままに生きることを強ひられる。一切を神の仕業とすれば神の仕業は悪むべき嘲弄だ。僕はイゴイズムをはなれた愛の存在を疑ふ。」 「自分は半年ばかり前から悪くこだはつた恋愛問題の影響で独りになると気が沈んだから?その反対になる可く現状と懸け離れた?なる可く愉快な小説が書きたかつた。」 　　大正四年十一月?『羅生門』は「帝国文学」に発表された。芥川龍之介は古典文学の材料を取