基准面を考虑した寸法.DOCVIP

基準面を考慮した寸法 部品の基準面を決定し，基準面から寸法を記入することで，部品の加工が容易になり精度の向上を期待できる．他の部品と接触する面を基準面とする場合が多い． 基準面を考えないと，誤差が蓄積されてしまう． 基準面を決定すると図面が見やすくなり，実際に部品を製作するときも楽である． 基準面があるとケガキ線が引きやすい． 旋盤で作る部品の寸法 旋盤で作る部品の寸法は，軸方向は部品の両端を基準面とし，半径方向は円の直径で指定することが多い．完成後にノギスで測定するときを考慮した寸法を記入する． 旋盤で，「削り始める面」と「削り終わる面」との寸法を記入する． 半径方向の寸法は直径で指定する．「円の直径」という意味の「Φ」を寸法の頭に加える． 円の中心を基準面とする場合 円との相対距離が重要な場合には，円の中心を基準面とする場合がある． 穴１と穴２の相対距離が重要な場合には，穴１の位置を穴２の基準面とする． 穴１と穴２の相対距離（ここでは１０と４０）の許容誤差を直接指定することができる． 円の中心を基準面にする例．（モータの取り付け穴） しかし基準面を統一したほうがケガキ線を引きやすく，かえって精度が上がるかもしれない．特別に精度が要求されるところ以外は，基準面は統一したほうがよい． 穴に関する寸法，注記（１） 穴を開けるためには穴の中心位置だけではなく，その穴に関する情報（直径，深さ，加工方法の指定など）が必要である． キリ：キリ穴，ボール盤のドリルで開ける穴 Ｍ：メートルネジの頭文字 タップ：雄ネジ（雌ネジ）タップを使ってネジを切る ザグリ：座グリ，底が平らな穴加工 深サ：深さ．穴の先端は本来１１８°であるが，１２０°で近似してよい． １つの穴に対して複数の段階に分けて加工する場合 穴に関する寸法，注記（２） 同じ穴が並ぶ場合には，注記の先頭に「個数－」と記入することで，他の注記を省略することができる． フランジの場合，穴の中心を結んでできる円の直径には，頭に「ＰＣＤ」を付ける． 三面図における寸法の配置 一工程の加工に必要な寸法は，一箇所にまとめる． 寸法はなるべく正面図に記入する． 寸法の無い図面は，製作時には省略することができる． 寸法を記入する前の図面 寸法を記入した後の図面 ネジに関するデータ ネジの呼び径 ピッチ（mm） タップ下穴径（mm） Ｍ２ 0.4 Φ1.6 Ｍ３ 0.5 Φ2.5 Ｍ４ 0.7 Φ3.3 Ｍ５ 0.8 Φ4.2 Ｍ６ 1.0 Φ5.0 Ｍ８ 1.25 Φ7.0 Ｍ10 1.5 Φ8.5 Ｍ12 1.75 Φ10.5 呼び Ad (mm) Ah (mm) Bh1 (mm) Bh2 (mm) Bb (mm) Bc (mm) Cd1 (mm) Ct1 (mm) Cd2 (mm) Ct2 (mm) Ｍ２ 3.5 1.3 Ｍ３ 5.5 2 2.4 5.5 6.4 7 0.5 5.9 0.7 Ｍ４ 7 2.6 3.2 7 8.1 9 0.8 7.6 1.0 Ｍ５ 9 3.3 4.0 8 9.2 10 1.0 9.2 1.3 Ｍ６ 10.5 3.9 5.0 3.6 10 11.5 12.5 1.6 12.2 1.5 Ｍ８ 14 5.2 6.5 5.0 13 15.0 17 1.6 15.4 2.0 Ｍ10 8.0 6.0 17 19.5 21 2.0 18.4 2.5 Ｍ12 10.0 7.0 19 21.9 24 2.5 21.5 3.0 Ｍ16 13.0 10.0 24 27.7 30 3.0 28.0 4.0 Ｍ20 16.0 12.0 30 34.6 37 3.0 33.8 5.1