C図『试料采取地点-名古屋大学.PDF

愛知県安城市, 碧海台地開析谷における泥炭質堆積物の14C年代測定 川瀬久美子 愛媛大学教育学部地理学教室 790-8577 松山市文京町3番 tef:089-927-9411fax:089-927-9397 e-mail:-yokan@ed･ehime-u･ac･｣p 1.はじめに 台地｡丘陵に刻 まれた開析谷中には,しばしば厚い泥炭質堆積物が発達する.L開析谷中 の堆積物には,堆積物の層相や徹化石の変化として周辺の自然環境の変化が連続的に記録 されており,これまで完新世の古環境復元に活用されてきた (辻,1989:安藤□渡辺, 1992)･愛知県で濃尾平野についで大きな西三河平野には碧海台地が発達し,緑辺蔀に はいくつかの開祈谷が刻まれている.そのうちの一つでボーリング調査を実施したところ, 長さ5145mに及ぶほぼ連続した地質試料が得られた.本稿では,この試料の層序･層相 と14C年代測定結果を報告し,開析谷周辺の古環境変化について予察的に検討する. 2.堆積物の層序･層相 ボーリング地点は,愛知県安城市,矢作川下流低地に面した碧海台地の東経に刻まれた 開析谷である (図 日 .段丘面が約5m下刻された開析谷の硯在の標高は約9.5mで,矢 作川からは約2.5km離れている. 図 『試料採取地点 - 180- Depth(m) 監珪藻分析結果】 測定試料 0-0 ･ ･ l 茶褐色 渥炭質結土質シルト 暗涙色 砂擦 i I . 茶灰色 棟混じiJシル ト i l ･ 暗灰色 シルト質粘土 虻 ･ ANNS-3-鍵1･0 茶褐色 泥炭質シルト . , 102 黒灰色 シルト蛋泥炭 暗灰色 泥炭覧 シルト貸粘土 暗灰色 粘土貨泥炭 喜 茶褐色 枯土壌シルト 茶褐色 泥炭 ANNS-3慧 ･ ･ - や 40㌔ ･ I . 茶褐色 ソルト 暗灰色 粘土 402 黒褐色 泥炭 ANNS-3-@ S･0 503 図2 開析谷で得られたボーリング柱状図と珪藻分析結果 得られた堆積物には,全体として未分解の植物遺体が多く含まれていたが,部分的に粘 土O シルトなど無機物が優先する層準もあった.以下に,地表から下位に向かって層序と 層相を記載する (図2). 地表から深度0.49mまでは現生の植物根や未分解の植物遺体が多く含まれる粘土質シ ルト,0.49-0159mは暗灰色の砂磯層,0.59-0.65mは磯混じりのシルト層で,磯径 は10-20mmであった.0.65-Cl.80mは暗灰色のシルト質粘土で,その下位の層から は植物片が多含まれて泥炭状を呈した,0.80-1.87mはシルト質粘土で,茶褐色の色 調は下部にいくにしたがって黒灰