部门别対策透析室-CityofSapporo.PDFVIP

病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012．12 部門別対策： 透 析 室 １.透析室の感染管理の特徴 透析患者は、長期にわたり体外循環を継続するため、免疫能が低下し易感染状態に ある。また、過去に貧血治療として行われた輸血による、ＨＣＶ、ＨＢＶ等の血中ウィルス 感染者も多い。血液飛散のリスクが高い処置を行う透析室は、これらの血中ウィルスによ る、集団感染の報告例が多い。 したがって、透析室における感染対策としては、特に血液曝露による直接感染から患 者、職員を守る対策が重要となる。また、職員の手や器具を介した、あるいは環境を介し た感染にも留意する必要がある。 ２．感染対策 １）手洗い ・ポンプ型速乾式擦式手指消毒剤または携帯用速乾式擦式手指消毒剤を、1 看護 師 1 個、受け持ちエリアに持参する。 ・病室透析の場合、ポンプ型速乾式擦式手指消毒剤を持参する。 ・創傷処置をする場合は、手袋を装着する前に、速乾式擦式手指消毒剤による 手洗いをし、処置後にも速乾式擦式手指消毒剤による手洗いを行う。 ２）防護具 ・手袋着用場面 ＜血液・体液曝露のリスクがある処置・ケア時＞ 穿刺時、透析開始時、終了時、片付け時、透析離脱時、再開時、トラブル対処時 喀痰吸引時、排泄物の処理など ・汚染した手袋で、血圧測定や止血をしない。コンソール、パソコン、体重計、 駆血帯、腕枕、カーテン、筆記用具、記録物、リネンなどに触れない。 ・喀痰吸引等衣服が汚染される可能性があるときは袖付きプラスチックエプロン を着用する。 ・穿刺、抜針、血液・体液曝露の危険性がある時は、サージカルマスク･ゴーグ ル・袖なしプラスチックエプロンを装着する。 25－1 病院感染対策マニュアル 市立札幌病院 2012．12 ３） 環境の清掃 ・ 業者清掃は、1 日 1 回、毎朝または汚染時、床・手すり・ドアの取っ手の拭き掃除を行う。 EPA 登録血中病原体用除菌洗浄剤を使用する。 ・ カーテンは定期的に交換する。 ・ ベッドの周囲環境や透析機器を毎日清掃･消毒する。 ・ 血液飛散・再出血等で床が汚染したときは 0.5％次亜塩素酸ナトリウムガーゼで拭き 取る。 ４） 医療機器の清潔管理 ・ 使用後のステートは毎回環境消毒用 80％エタノールガーゼで拭き個人保管する。ス テート掛けは交叉感染の原因となりうるので使用しない。 ・ 患者使用後のマンシェット・聴診器・電子体温計類は環境消毒用 80％エタノール ガーゼで清拭する。 ・ プライミングカップは、生食等の結晶化したものが細菌繁殖の温床になるの で、環境消毒用 80％エタノールガーゼ で拭く。 ・ カプラは透析液の結晶化による細菌繁殖防止の為、ダイアライザーからはずすときに 環境消毒用 80％エタノールガーゼで拭き、コネクターは毎日オスバン液で消毒する。 ・ 透析機械、ベッド、針廃棄容器の外側は 1 患者ごとに 0.5％次亜塩素酸ナトリウム ガーゼで拭く。 ・ 透析機械に血液付着時は廃棄可能なペーパータオルで拭き取り後、水拭きする。 その後、0.5％次亜塩素酸ナトリウムガーゼで拭く。特に機械のつまみなどを確実に 清拭する。 ・ 透析機械、セントラル、コンソールは規定の手順に従って洗浄・消毒する。 ・ RO 水は透析液水質管理計画に沿って、３ケ月に１回細菌学的検査とエンドトキシン 検査を実施する。 ５） リネン ・ 患者ごとに体交シーツ･枕カバー・包布カバーを交換する。 ・ 包布そのものは 1 週間毎に交換する。 ・ 汚染リネンは、その都度交換し、血液等で汚染したリネンはビニール袋にいれ明記しラ ンドリーにおろす。 ６） 穿刺