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理科学習指導案 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成　年　月　日　　 年　組　　指導者　　　　　　　 　　　授業の視点 　溶解度の確かな理解のために、溶解度を実測する実験を取り入れ、その実測値をもとに溶解度曲線を描かせることは、有効であったか。 Ⅰ　単元名　　水溶液の性質　 Ⅱ　考察 １　生徒の実態 　本校の選択理科を受講している３年生28名に、溶解度曲線が提示してある基本的な溶解度にかかわる問題に取り組ませたところ、28人中28人が、水の質量を変えた問い（正答率25％）や温度を下げていったとき析出してくる溶質の質量にかかわる問い(正答率４％)を難しいと答えている。また、溶けきれない食塩を溶かしきる方法として、水の量を増やすと答えられた生徒は21％だった。このことは生徒にとって溶解度曲線の理解は極めて難しいことを意味している。 　本学級の生徒について、身の回りの水溶液についての以下のような事前調査を行った。 質問１　水に溶ける物をできるかぎりあげなさい。 質問２　物が水に溶けるということはどんなことだと思いますか。 質問３　砂糖と塩では、どちらの方が水によく溶けますか。 質問４　水に溶け残った砂糖を溶かしきる方法を考えられるかぎりあげ なさい。 質問５　水に溶け残った塩を溶かしきる方法を考えられるかぎりあげな さい。 質問1に対しては、「塩」という回答が31、「砂糖」が30とこの二つが群を抜いて多かった。これ以外では、「ホウ酸」９、「氷」８、「トイレットペーパー」８と続き、中には「洗剤」や「調味料」、「入浴剤」をあげる生徒もいた。質問２に対しては、「なくなる」「消える」という回答が８だった。その次は「水と一緒になる」７、［見えなくなる］４と続く。 その他、「液体になる」「小さくなる」という回答もあった。質問３では、「塩」が21、「砂糖」が９、「同じくらい」が３ということであった。質問４では、「あたためる」が15で最も多く、「水の量をふやす」12、「よくかき混ぜる］11であった。「熱いお湯を入れる」という「あたためる」と「水の量をふやす」を合わせたような回答は８あった。質問５については、質問4の回答とほぼ同様で、砂糖と塩の溶け方の違いについて意識できているものはいない。　 理科の授業全般に取り組む姿勢については、65％の生徒が興味?関心をもって授業に臨んでいる。 ２　教材観 　中学校１年１分野「身のまわりの物質」の単元では、溶ける様子の観察や再結晶が取り上げられている。この単元では，物質の溶解度を利用して水に溶けた物質は再結晶させて取り出すことができることや水溶液中では溶質が均質に分散していることを学習する。生徒は小学校５年理科でも、指導要領「Ｂ物質とエネルギー」の中にあるように、「物質の水に溶ける量には限度があること」や「溶解度を利用して溶けているものを取り出すことができること」「水に溶けても重さは変わりがないこと」を学習してきている。この段階では、溶ける量が温度によって変化する物質があるということまでは学習する。しかし、その量がグラフにすると曲線になっていくことまでは深く学習していない。溶解度が物質や水温に応じて変化し、さらに溶ける量は溶媒である水の質量にも比例して変動する量であることが、多くの生徒の理解を難しくしている内容である。 　ここでの学習を通して、生徒は身の回りの自然に見られる水に溶けている物質にまで考えが及ぶようになる。生徒が水溶液の物質を溶かす特性を深く理解していくことが、水溶液から溶質を分離するのは簡単ではないことや、水質保全や酸性雨等の環境への意識を高めることにつながっていくと思われる。以上のことから大変意義のある単元である。 ３　教材の系統 　 小５　B　物質とエネルギー　（1）　 　　　物を水に溶かし、水の温度や量による溶け方の違いを調べ、物の溶 け方の規則性についての考えを持つようにする。 　　　単元　もののとけかた　　食塩とホウ酸 　小６　B　物質とエネルギー　（1）　 　　　いろいろな水溶液を使い、その性質や金属を変化させる様子を調べ、水溶液の性質や働きについての考えを持つようにする。 　　　単元　水溶液の性質　　塩酸と水酸化ナトリウム水溶液 鉄とアルミニウム 　中1　第1分野　（2）身の回りの物質　イ　水溶液 (ア)　物質が水に溶ける様子の観察や再結晶の実験を行い、水溶液の中では溶質が均一に分散していること及び水溶液から溶質を取り出す方法を見いだすこと。 (イ)　酸、アルカリを用いた実験を行い、酸、アルカリの性質を見出だすとともに酸とアルカリを混ぜると中和して塩が生成することを見いだすこと。 　　　単元　水溶液の性質 Ⅲ　目標 　観察や実験を通して、水溶液中の様子や水溶液から