空间分割多重光増幅基盘技术.PDFVIP

将来の大容量光ネットワークを支える空間多重光通信技術の最先端 マルチコア光ファイバ増幅器 フューモード光ファイバ増幅器 エルビウム添加ファイバ 特 集 空間分割多重光増幅基盤技術 本稿では，空間分割多重光伝送システムにおける複数の空間チャネルを 一括して増幅するための光増幅技術として研究開発を進めている，マルチ お の ひろたか コアファイバ技術やフューモードファイバ技術を応用したマルチコア・エ 小野 浩孝 ルビウム添加ファイバ増幅器，およびフューモード・エルビウム添加ファ イバ増幅器について紹介します． NTT先端集積デバイス研究所 Few-Mode Erbium-Doped Fiber Am- ります． 空間分割多重光増幅技術の分類 pli fier）です． マルチコア用EDFとしては，シン マルチコアファイバ（MCF）や グルコアEDFを基本としたバンドル MC-EDFA フューモードファイバ（FMF）を用 EDFやマルチエレメントEDFと，同 いる光伝送システムを長距離化する MC-EDFAについて，励起方式お 一クラッドに複数コアを有するMC- ためには，従来のシングルコア・シン よびEDF構造から分類したものを表 EDFとに分類されます．バンドル・ グルモードファイバを用いた光伝送 に示します．励起方式は，励起光と信 マルチエレメントEDFはシングルコ システムと同様に，光増幅器を用いた 号光を合波してコアに入力するコア励 アEDFをベースとしているため既存 光中継が必要となります．光増幅器と 起と，クラッド励起に分類されます． 製造技術が適用でき，さらにはバンド しては，シングルモード光伝送シス コア励起は，従来EDFAの光部品の適 ルEDFではEDF間の利得調整も容易 テムと同様に増幅媒体としてエルビ 用が可能であって，かつ高い励起効率 となります．一方のMC-EDFは複数 ウム添加ファイバ（EDF: Erbium- で増幅ができます．また，既存技術で 増幅コアの一括作製によるコスト削 ＊ 減・サイズ低減が期待できます．これ Doped Fiber） を用いた光増幅器とな 実用システム適用にあたって不可欠の りますが，複数の空間チャネルを一括 高速利得制御が実現可能であるという らのEDFで共通する課題はファイバ して増幅する光増幅技術の実現が求め 利点があります．しかし，従来EDFA の細径化とコア間クロストークになり られ，ここ数年活発に研究開発が行わ の並列化に近い形態となるためサイ ます．また，バンドルEDFでは複数 れています．空間分割多重光増幅技術 ズ・消費電力の低減が課題となります． 本のシングルコアEDFを束ねる技術 には大きく ２ つに分類され， １ つは １ 一方のクラッド励起は，ファイバ 開発，それ以外のEDFではコア間の 本の光ファイバに複数のエルビウム添 レーザで使用される高出力の非電子冷 特性均一化が課題となります． 加コアを有するMCF型の増幅媒体を 却マルチモード半導体レーザ（LD: ■コア励起MC-EDFA 利用す